抄録
耳介上部の悪性腫瘍では, その摘出術に際して耳介軟骨も同時に切除を要する場合がある。このような場合には耳介軟骨の再建が必要か否かの判断を行い, 適切な再建を行わないと後日に耳介変形を来すことになる。我々は耳介軟骨の欠損が小さいものでは, 耳介軟骨の再建は行わず, 耳介後面からの局所皮弁で再建を行っている。中等度のものに対しては耳介軟骨を楔状に切除して直接縫合し, 耳介後面からの局所皮弁を組み合わせた再建を行っている。本法の手技は簡便で, 耳介のみの手術野で操作ができ, 手術時間も短いが, 術後の耳介の変形は少なく, 整容的に満足できる耳介の再建が可能であった。