Skin Cancer
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悪性黒色腫における初回再発の分析
竹之内 辰也高橋 明仁
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2006 年 21 巻 2 号 p. 189-193

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抄録

病期I~IIIの悪性黒色腫のうちで術後経過中に再発を生じた30例を対象とし, 初回再発までの期間, 再発様式, 再発後の経過について調査した。初回再発までの50%無病生存期間は9ヵ月で, 1年以内の再発が57%, 2年以内73%, 3年以内90%であった。初回再発部位は所属リンパ節が8例 (27%) , in-transit転移が12例 (40%) , 遠隔転移が10例 (33%) であった。再発診断のきっかけが患者側によるものは12例 (40%) , 医師側は15例 (50%) で, 再発後の生存期間中央値は17ヵ月であり, 再発診断のきっかけが患者側か医師側かによる生存期間の有意差はみられなかった。今回の結果が術後の定期診察や検査の必要性を否定するものではないが, それらが予後の改善につながるという結論は得られなかった。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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