Skin Cancer
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左上腹部に生じた異所性乳房外パジェット病の1例
青原 忠彦東 耕一郎大津 詩子森脇 真一青金 公裕
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2008 年 23 巻 2 号 p. 215-220

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抄録

65歳, 女性。既往歴として子宮体癌, 小腸消化管間葉系腫瘍があり2003年4月子宮全摘術, 腫瘍摘出術が施行されている。約13年前より腹部に出現した皮疹が徐々に拡大してきたため当科を受診した。左側腹部に径40×27mm大, 表面平滑, 境界明瞭, 周辺部が褐色調を呈する紅褐色局面を認め, 一部に赤色の点状変化がみられた。皮膚生検を施行したところ, HE染色にて表皮内に胞体の明るい異形細胞がみられたため表在拡大型悪性黒色腫が疑われた。しかし, 特殊染色を施行したところ腫瘍細胞は, HMB-45 (-) , S-100 (-) , CK7 (+) , CEA (+) , アルシャンブルー (+) であったため, 本症例を異所性乳房外パジェット病と診断した。全身検索から内臓病変や転移所見は否定的であったため, 病変部より3cm離して拡大切除術を施行した。2008年6月の現在で約2年を経過するが, 腫瘍の再発転移はみられない。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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