抄録
菌状息肉症/セザリー症候群以外の皮膚T/NK細胞リンパ腫に関するガイドライン作成の背景を解説した。WHO-EORTC分類では生命予後良好な病型 (indolent group) と, 予後不良である病型 (aggressive group) に大別される。Indolent groupは病型ごとに特徴的な臨床所見, 経過を示すためそれぞれ個別にCQを設定した。Aggressive groupは組織型および腫瘍細胞のphenotypeに差異が見られるものの, 類似の皮膚病変を形成し, 臨床経過はほぼ同一であるため一括してCQを設定した。ガイドライン作成にあたっては, 2007年にISCLおよびEORTC共同で提唱されたTNM分類案に準拠した。この分類の妥当性はまだ検証されていないが, 今後のガイドライン改訂に際しては共通の病期分類に立脚した臨床情報の集積が重要であるため, ここではこのTNM分類案を採用した。