2008 年 23 巻 3 号 p. 315-319
(1) TNM病期分類 (案) に基づく予後調査, (2) 手術における切除範囲とリンパ節郭清適応の見直し, (3) 進行例の予後改善のための治療手段の3点を目的に調査を行ってきた。 (1) 病期別生存曲線では, 各群間の有意差が認められたが1A, 1B, 2の曲線が重なり合う。本分類案が予後を反映しているのかどうかは, 組織学的microinvasionについて確認する必要がある。 (2) リンパ節の扱いについては, センチネルリンパ節転移陽性群と陰性群とで生存に有意差はあるが, 陽性例に予防的郭清を行うかどうかの検討は加えていない。各病期の郭清の有無による生存曲線は, いずれも有意差が認められなかった。 (3) の再発・転移の治療に関しては, 再発巣は切除する場合が多い。転移巣に対する化学療法は, Low dose療法が12例, FPFECOM6例, アルカロイド系13例であった。Stage3, 4で併用療法を行った症例は, いずれも予後の改善には寄与していない。