2008 年 23 巻 3 号 p. 410-415
63歳, 男性。初診の4ヵ月前, 腰部に硬結が出現し近医を受診して, 悪性リンパ腫を疑われ, 当科へ紹介された。組織学的には小型~中型の異型リンパ球のび漫性増殖がみられ, cCD3 (+) , CD4 (+) , CD20 (+) の所見よりperipheral T-cell lymphoma, unspecifiedと診断した。CHOP療法6クールにて完全寛解 (CR) となったが, 約11ヵ月後に体幹・四肢に再発してきた。組織学的に初診時に比べて単調な異型リンパ球の増殖であり, CD4 (+) , CD79a (-) , CD56 (+) , CD123 (+) , TdT (-) , MPO (-) , EBV-ISH (-) の所見よりCD4+/CD56+ hematodermic neoplasm (blastic NK cell lymphoma) と診断した。CHOP療法2クールとhyper CVAD療法を1クール施行後, 同種末梢血幹細胞移植を実施し, 約半年間CRを維持している。