Skin Cancer
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高齢者の頭部に生じた隆起性皮膚線維肉腫の1例
新保 慶輔吉岡 伸高寺師 浩人
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2008 年 23 巻 3 号 p. 405-409

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抄録
75歳男性。数年前より前頭部の腫瘤を指摘されていた。2007年6月中旬頃より急速に増大してきたため, 同年7月上旬, 済生会中津病院形成外科を受診した。初診時, 前頭部に4×3cmの可動性良好で表面凹凸不整な暗赤色腫瘤を認めた。腫瘤右前方に接して, 2×2cmの弾性硬で可動性良好な皮下結節を認めた。治療は, 腫瘍および皮下結節辺縁より1.5cm離して切開し, 骨膜上で切除した。病理組織学的には, storiform patternを示す紡錘型細胞の増生がみられ, 免疫組織染色では, CD34が陽性であったため, 隆起性皮膚線維肉腫と診断した。切除標本内の断端に腫瘍細胞は認められなかったが, 術後7ヵ月後に植皮部辺縁から再発した。腫瘍辺縁より3cm, 前回の植皮部辺縁より1.5cm離して切開し, 腫瘍直下は骨膜を切除し, その周囲は骨膜上で切除した。術後8ヵ月を経過して再発・転移は認めていない。
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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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