Skin Cancer
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自然消退した先天性巨大色素性母斑とその上に発生した悪性黒色腫
前田 直徳長谷川 順一神崎 保
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1988 年 3 巻 p. 186-190

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抄録
先天性巨大色素性母斑が自然消退し, さらに, その上に悪性黒色腫を生じた例を, 生後4日目から13歳まで観察することができた。自然消退は1歳のころから, 皮膚からアカがポロポロ落ちるようにして始まり, 13歳でほぼ完全に消退した。初期では, 組織学的に境界部活性の強い母斑細胞巣がみられる境界型母斑と複合型母斑であり, 母斑細胞が経皮排泄される所見を認めた。6歳時には, 表皮基底層のメラニン穎粒の増加を認めるのみか, または神経線維腫様の真皮型母斑を認めるのみで,表皮一真皮接合部の母斑細胞巣は消失していた。6歳時に発生した黒色腫は術後7年になるが再発はない。
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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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