抄録
3種類の抗ケラチン抗体を用い, 8例の乳房パージェット病および18例の乳房外パージェット病の染色性について, パラフィン切片によるABC酵素抗体法で検討した。抗ケラチン抗体MAK-6 (52.5kd, 50kd, 48kd, 45kdおよび40kdのケラチンペプチドと反応) は, 乳房および乳房外パージェット病のパージェット細胞と反応を示したが, EAB-903およびEAB-904 (共に66kdと57kdのケラチンペプチドと反応) はパージェット細胞と反応を示さなかった。MAK-6はパージェット病の診断およびパージェット細胞の浸潤の範囲の判定に有用と考えられた。