抄録
ヌードマウス可移植性ヒト悪性黒色腫ならびに腎癌に対する天然型インターフェロン-γの抗腫瘍効果を検討した。その結果, 悪性黒色腫に対しては静脈内, 筋肉内, および腫瘍内投与のいずれにおいても強い腫瘍増殖抑制効果が認められたが, 腎癌に対しては静脈内, 筋肉内のいずれにおいても, その効果は前者より劣っていた。また, 悪性黒色腫では病理形態学的変化として, 腫瘍巣の縮小, メラニンの増生, 線維の出現, 空胞変性および血管の増生などが認められ, 臨床面での有効性が期待できる薬物であることが示唆された。