Skin Cancer
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DAV+interferon-β療法を契機に転移巣の著明な消退傾向を示した悪性黒色腫の1例
吉井 章影下 登志郎中村 猛彦荒尾 龍喜
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1991 年 6 巻 1 号 p. 186-191

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抄録
症例は79歳の男性。初診時ALMin situの診断で手術を勧めるも放置し, 4年後右鼠径リンパ節の腫脹に気づき, 右下肢が浮腫状となったため当科を再受診した。患者およびその家族は手術を拒否したためDAV+IFN-β (フェロン) 療法を施行した。CT上化学療法施行前40×20mmであった右鼠径リンパ節が1クール施行後17×13mmと約4分の1に著明に縮小し, その後も縮小傾向がみられ5クール終了後12×10mmとなり, 1年4ヵ月経った現在もリンパ節の増大傾向も新病巣の出現も認めない。本症例の免疫学的検索では, ヒトメラノーマ関連抗原であるHigh molecular weight melanoma associated antigen (HMW-MAA) に対する高い抗体価を患者血清中に証明し得た。また経過中に, 予後良好の一つの指標といわれている黒色腫関連白斑も認めた。
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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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