皮膚の科学
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症例
IgG2・IgG4 欠損と低 IgE を伴う IgA 欠損症患者に生じたアトピー性皮膚炎様皮疹の1例
竹下 芳裕山口 絢子山根 裕美子高橋 一夫相原 道子池澤 善郎
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2011 年 10 巻 1 号 p. 41-45

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抄録

IgG2,IgG4 欠損と低 IgE を伴う IgA 欠損症患者に生じたアトピー性皮膚炎様皮疹を経験した。32歳,女性。小児期より原発性免疫不全症。19歳以降低 IgAγ グロブリンの定期補充を受けている。31歳時全身にそう痒伴う皮疹出現し当科受診。落屑性紅斑,丘疹,色素沈着あり,アトピー性皮膚炎疑うも,IgE 低値。ステロイド内服開始したが難治性であった。γ グロブリン点滴時にそう痒悪化したため γ グロブリン補充間隔を長くしたところ,次回補充前に皮疹悪化。易感染性の助長が皮疹の悪化をきたすと推察。補充間隔を戻しステロイド内服は漸減中止したところ皮疹は改善した。γ グロブリン点滴時のそう痒は点滴に伴うストレスの影響を考えた。(皮膚の科学,10: 41-45, 2011)

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© 2011 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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