2011 年 10 巻 Suppl.16 号 p. 18-20
2006年に,皮膚のバリア機能を司るフィラグリン遺伝子変異が一部のアトピー性皮膚炎患者に認めたことを契機に,アトピー性皮膚炎の原因の一つとしてバリア破壊が関与している事が認知されるに至った。ヒトと同様にフィラグリン遺伝子に変異を有する flaky tail マウスは,乾燥肌,湿疹様皮膚炎,IgE 上昇などのヒトのアトピー性皮膚炎と同様の症状を呈した。また,ダニ抗原曝露により,野生型マウスに比べて著明なアトピー性皮膚炎様の臨床症状が誘発された。今後,flaky tail マウスが,アトピー性皮膚炎の病態解明などに有用な新たなモデルとなることが期待される。(皮膚の科学,増16: 18-20, 2011)