皮膚の科学
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外因性と内因性という区分けはアトピー性皮膚炎に必要か?
戸倉 新樹
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2011 年 10 巻 Suppl.16 号 p. 34-37

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抄録

アトピー性皮膚炎 (AD) は外因性と内因性に分けることができる。外因性は IgE が媒介するアレルギー機序によって発症した通常のタイプであり,内因性 AD は IgE が正常域で AD の約20%を占め女性が多い。論文の渉猟や講演者自身が各国の研究者聴取によって得た情報では,内因性という言い方に積極的な国は,ドイツ,オランダ,ハンガリー,韓国などであり,一方,余り使いたがらない,あるいは使って来なかった国は,イギリス,日本が代表的であろう。日常診療の段階で,皮疹の性状から,内因性 AD を外因性から鑑別することができず,内因性 AD をいう言葉を tentative に用いるのは今後の病態研究の上で重要であろう。(皮膚の科学,増16: 34-37, 2011)

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© 2011 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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