皮膚の科学
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症例
毛包,脂腺,汗管の誘導を伴った萎縮型皮膚線維腫の1例
仲田 かおり鷲尾 健村田 洋三木村 鉄宣福本 隆也堀川 達弥
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2013 年 12 巻 4 号 p. 296-300

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抄録

53歳,女性。1992年,右下腿に外傷後に潰瘍が形成され,瘢痕となっていた。2009年,同部に中央が陥凹した結節が出現し当科を受診。ダーモスコピーでは辺縁部の delicate pigment network と中心部の white network を認めた。皮膚生検にて,真皮網状層は菲薄化し,真皮から脂肪織にかけて膠原線維の増生を伴う線維芽細胞様細胞の増殖があり,同部の弾性線維の減少を認めた。また表皮は柵状に吻合しながら真皮内に延長し,毛包や脂腺,汗管構造を伴っていた。以上より萎縮型皮膚線維腫と診断した。本症は皮膚線維腫の一型で,組織学的に付属器上皮の誘導が多いが,自験例では毛包,脂腺および汗腺への分化すべての構造を伴っており,稀な症例と考えた。(皮膚の科学,12: 296-300, 2013)

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© 2013 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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