44歳の男性が右足の難治性潰瘍のため他医を受診,蜂窩織炎の診断で治療を受けたが改善せず,下肢切断が必要と判断された。大切断回避目的でマゴット療法を希望し当科へ転院となった。足背の皮膚灌流圧 (SPP) は 75mmHg であった。下肢血管造影を行い重症下肢虚血に基づく難治性潰瘍でないことを確認した。マゴット療法を行い,創の改善後に壊死した腱と腐骨の除去のため右第2~5趾の切断を行った。Vacuum Assisted Closure (VAC
®) 療法を行い治癒した。 SPP 測定などで重症下肢虚血が否定されれば,マゴット療法を行うことで下肢の大切断を回避可能な症例もある。(皮膚の科学,12: 275-279, 2013)
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