皮膚の科学
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症例
診断に苦慮し,ペルメトリン外用が有効であった乳児疥癬の1例
小野 慧美室田 浩之谷 守片山 一朗
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キーワード: 乳児疥癬, ペルメトリン
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2014 年 13 巻 1 号 p. 8-12

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抄録
11ヶ月,男児。体幹,手足の小水疱を主訴に受診した。体幹に小指爪甲大までの境界明瞭な浸潤を伴う紅斑が散在し,手掌,足底に皮溝に沿う円形の小水疱を認めたため,手足口病,汗疱などを疑った。病理組織所見では真皮全層の血管および付属器周囲にリンパ球浸潤を認めた。外来で経過観察したところ,皮疹の拡大があり,トンネル様構造の病変を認めた。検鏡にてヒゼンダニの虫卵,虫体を検出し,疥癬と診断した。クロタミトン外用で皮疹は改善せず,ペルメトリン外用にて皮疹はほぼ消退した。手足の小水疱を伴う乳児の難治な皮膚炎では疥癬の可能性を念頭におく必要がある。乳児に使用できる安全で有効な治療薬はほとんどなく,ペルメトリン外用が有効な選択肢と考えられた。(皮膚の科学,13: 8-12, 2014)
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© 2014 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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