皮膚の科学
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13 巻 , 1 号
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症例
  • 大川 たをり, 白井 洋彦, 山村 弟一
    2014 年 13 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/20
    ジャーナル 認証あり
    64歳,女性。約10ヶ月前より顔面・体幹・上肢に消退と再発を繰り返す紅斑と丘疹を認めていた。病理組織像で CD30 と CLA 陽性で ALK と EMA 陰性の異型リンパ球浸潤を認めた。全身検索で皮膚以外に病変は認めず,リンパ腫様丘疹症と診断した。初診後約1年で顔面の丘疹が消退しなくなったためメトレキセートを約7ヶ月内服したが効果は得られず,投与中止後約2ヶ月で皮疹は自然消退した。その約2ヶ月後に胸部に丘疹が出現し急速に腫瘤化,下肢皮下結節と腸骨腫瘍,鼠径リンパ節腫脹も出現し,皮膚および骨生検で大型の異型リンパ球浸潤を認めた。腫瘍細胞は CD30 と CLA に陽性,ALK と EMA は陰性であった。リンパ腫様丘疹症として経過観察中に原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫へ進展し,リンパ節と骨病変をきたしたと考えた。(皮膚の科学,13: 1-7, 2014)
  • 小野 慧美, 室田 浩之, 谷 守, 片山 一朗
    2014 年 13 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/20
    ジャーナル 認証あり
    11ヶ月,男児。体幹,手足の小水疱を主訴に受診した。体幹に小指爪甲大までの境界明瞭な浸潤を伴う紅斑が散在し,手掌,足底に皮溝に沿う円形の小水疱を認めたため,手足口病,汗疱などを疑った。病理組織所見では真皮全層の血管および付属器周囲にリンパ球浸潤を認めた。外来で経過観察したところ,皮疹の拡大があり,トンネル様構造の病変を認めた。検鏡にてヒゼンダニの虫卵,虫体を検出し,疥癬と診断した。クロタミトン外用で皮疹は改善せず,ペルメトリン外用にて皮疹はほぼ消退した。手足の小水疱を伴う乳児の難治な皮膚炎では疥癬の可能性を念頭におく必要がある。乳児に使用できる安全で有効な治療薬はほとんどなく,ペルメトリン外用が有効な選択肢と考えられた。(皮膚の科学,13: 8-12, 2014)
  • 山田 良則, 伊藤 令子, 尾藤 三佳, 田嶋 佐妃, 坂元 花景, 小西 啓介
    2014 年 13 巻 1 号 p. 13-15
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/20
    ジャーナル 認証あり
    帯状疱疹罹患部位に二次感染を起こし,皮下膿瘍を形成した症例を経験した。症例,60歳,女性。基礎疾患に糖尿病あり。左背部の帯状疱疹の潰瘍部位に皮下膿瘍を形成した。入院の上,血糖管理を十分行い,抗生剤の全身投与下,局所処置を継続して治癒した。帯状疱疹罹患後,同部位に細菌感染が続発した報告は最近10年間で3例あり,2例で糖尿病が基礎疾患であった。基礎疾患として免疫低下が予想される糖尿病患者では二次感染の予防のためにも血糖管理が重要であると思われた。(皮膚の科学,13: 13-15, 2014)
  • 本田 真一朗, 山本 文平, 吉川 浩平, 藤本 徳毅
    2014 年 13 巻 1 号 p. 16-19
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/20
    ジャーナル 認証あり
    61歳,女性。2006年に腹腔内原発の濾胞性リンパ腫を発症し化学療法中。2011年9月より顔面,四肢にそう痒を伴う丘疹が出現し当科を受診した。虫刺の既往はなかったが,臨床所見と病理組織所見は刺虫症に酷似していた。濾胞性リンパ腫に伴う insect bite-like reaction と診断し,プレドニゾロン 10mg/日の内服を開始したところ皮疹は改善した。本症例ではこれまでの報告よりもより少量のステロイド剤内服で皮疹の改善がみられた。(皮膚の科学,13: 16-19, 2014)
  • 富永 千春, 夏秋 優, 山西 清文
    2014 年 13 巻 1 号 p. 20-25
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/20
    ジャーナル 認証あり
    2013年に各地の医療機関から兵庫医科大学皮膚科に寄せられたマダニ刺症47例の情報のうち,兵庫県内でのマダニ刺症33例を集計した。原因虫はタカサゴキララマダニ32例,フタトゲチマダニ1例であった。患者の性別は男性17例,女性16例,年齢は5~89歳で,60歳台が最多で12例,60歳以降は22例で,全体の67%を占めた。刺咬を受けた場所は全例で山間部ないし畑だった。刺咬を受けた月は5~7月が多く,5月が最多で9例であった。虫体の咬着部位は下半身が64%であった。刺咬部には紅斑を認めない症例が多いが,中には5cm以上の紅斑を認める例があり,Tick-associated rash illness と考えられた。(皮膚の科学,13: 20-25, 2014)
  • 堀口 裕治
    2014 年 13 巻 1 号 p. 26-34
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/20
    ジャーナル 認証あり
    7歳,男児。10日ほど前から躯幹に丘疹が多発してきた。初診時,右肩と左腸骨稜を中心に,周囲が赤色で直径 1~2mm の白い丘疹が多発していた。組織学的には局所的な表皮肥厚と表皮下のカルシウムの沈着であり,表皮内汗管にも角質とカルシウムの集積があった。血液検査で異常所見はなく,稗粒腫様特発性皮膚石灰沈着症と診断した。既報告29例をあわせて解析し,本症は汗の生成・分泌の失調のために一過性にカルシウムの析出が起こって表皮内汗管に沈着し,一部は真皮に滴落するとともに一部は表皮外に排出されるものであり,さらに,Down 症児に特有な理由によって,本症は Down 症児の手足に生じる場合が多い,と考えた。(皮膚の科学,13: 26-34, 2014)
  • 穀内 康人, 兪 明寿, 黒川 晃夫, 森脇 真一
    2014 年 13 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/20
    ジャーナル 認証あり
    73歳,男性。2ヶ月前より亀頭部から包皮にかけてビロード状外観を呈する紅斑が出現したため当科を受診した。皮膚生検にて角質層の錯角化がみられ,表皮は不規則に肥厚し,全層性に異型ケラチノサイトの増殖や核分裂像が散見された。また皮疹より HPV が検出されたことから,臨床像,病理組織像とあわせて本症例を Queyrat 紅色肥厚症と診断した。患者の希望により,非外科的治療法の1つである週3回のイミキモド療法を開始したところ,計16週間外用後では病変は残存していたが,計29週間外用後,皮疹は消褪し病理組織学的に異型ケラチノサイトの消失を確認した。治療中止後11ヶ月が経過した現在,皮疹の再発はみられない。イミキモド外用療法は Queyrat 紅色肥厚症に対して,今後有効な治療法となる可能性が示唆された。(皮膚の科学,13: 35-39, 2014)
  • 本田 真一朗, 藤井 紀和, 志熊 恵美, 藤本 徳毅, 中西 健史, 中西 元, 田中 俊宏
    2014 年 13 巻 1 号 p. 40-43
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/20
    ジャーナル 認証あり
    60歳代,女性。約10年前から右踵に黒色斑を自覚した。右踵に潰瘍を伴う黒色斑がみられダーモスコピー像では大半が irregular dots/globules を呈した。全摘生検し悪性黒色腫と診断した。Tumor thickness は 1mm であった。センチネルリンパ節生検は陽性で右鼠径リンパ節廓清でも転移を認めた。掌蹠悪性黒色腫のダーモスコピー像は parallel ridge pattern が主病変となるが irregular dots/globules が主病変となる症例についても理解する必要があると思われた。また腫瘍の厚さが薄い場合も症例によりリンパ節転移を考える必要があると思われた。(皮膚の科学,13: 40-43, 2014)
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