皮膚の科学
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1日の生活状況に合わせたかゆみの10項目質問票について
青木 敏之
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2015 年 14 巻 Suppl.23 号 p. S7-8

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抄録
かゆみの問診には時間がかかる。しかも患者ごとにすべての質問をもらさずすることは困難である。そこで痒みをおこす疾患に適応できる質問表を作ってみることにした。そうすれば疾患によって生じる痒みの違い、また経過によって生じる痒みの変化を捉えるのに有用と考えた。痒みが起こりやすい生活に根ざした状況を、多数の患者から問診によりあつめ、その中から10を選んでどのような強さの痒みが生じるか尋ねる質問表をつくった。
それを50人のアトピー性皮膚炎患者に答えてもらった。1日全体の痒みの強さをグローバル値としてもとめそれとの相関を見た。また10項目の質問相互間の相関も見た。その結果、グローバル値と良く相関する質問とそうでない質問とがあった。また10の質問相互間にも、よく相関する質問同士とそうで内質問同士があった。違った疾患では異なる回答が得られることがあった。また経過によってよく改善する質問とそうでない質問とがあった。
さらに工夫することによって、そう痒性皮膚疾患の痒みの経過追跡に役立つ質問表を完成したい。(皮膚の科学,増23:7-8, 2015)
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© 2015 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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