皮膚の科学
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症例
急性痘瘡状苔癬状粃糠疹の治療中 HLA-B*13:01 保有者に生じたジアフェニルスルホンによる薬剤性過敏症症候群
殿岡 永里加渡辺 秀晃TARIKCI Nagihan末木 博彦
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2016 年 15 巻 3 号 p. 112-118

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抄録
30歳代,女性。急性痘瘡状苔癬状粃糠疹(PLEVA)に対しジアフェニルスルホン(DDS)50mg/日内服を開始38日後に全身の紅斑,発熱,リンパ節腫脹が出現した。DDS による薬剤性過敏症症候群(DIHS)の可能性を考え薬剤を中止し,ステロイド全身投与を開始した。経過中白血球増多,肝機能障害,human herpesvirus(HHV)-6 の再活性化を認めた。紅斑は3週間ほど遷延したが,徐々に白血球数,肝機能障害ともに改善し,当初から続いていた PLEVA の皮疹も改善した。DDS の DLST は陽性であった。本症例を DIHS と診断した。DDS による本症本邦報告例および自験例でも認められた HLA-B*13:01 と DDS による DIHS の関連について考察した。(皮膚の科学,15: 112-118, 2016)
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© 2016 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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