2017 年 16 巻 2 号 p. 150-154
70歳代,女性。血便,腹痛,39度台の発熱を主訴に内科を受診し,大腸内視鏡検査にて左側結腸炎型潰瘍性大腸炎と診断された。その後,右臀部に膿疱が出現し有痛性潰瘍を形成し,病理組織所見・臨床症状より壊疽性膿皮症の合併と診断した。ステロイド投与にて潰瘍性大腸炎の治療を行うも改善せず,壊疽性膿皮症についても難治であったため顆粒球吸着療法を施行したところ,いずれも速やかに改善した。壊疽性膿皮症のステロイド抵抗例やステロイドの早期減量を目的に白血球除去療法は積極的に行う価値がある治療と考える。現在壊疽性膿皮症単独では白血球除去療法の保険適用がないため,今後適用の拡大が期待される。(皮膚の科学,16: 150-154, 2017)