皮膚の科学
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16 巻 , 2 号
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症例
  • 茂木 紫, 村手 和歌子, 佐々木 良輔, 鈴木 加余子, 松永 佳世子
    2017 年 16 巻 2 号 p. 113-119
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/17
    ジャーナル 認証あり
    当院で7年間に経験したマムシ咬傷22例について,臨床症状や治療などについて検討した。CPK 値が上昇した8例中6例で,CPK 値が最高となったのは受傷24時間以降であり,初診時の CPK 値から重症度や予後を予測することは困難であった。乾燥まむしウマ抗毒素は重症化を予防すると考えられているが,投与後のアナフィラキシーショックや血清病が問題となる。当院ではステロイド薬の前投与を行っており,22例中21例で乾燥まむしウマ抗毒素を使用した。全例で副作用はみられなかった。乾燥まむしウマ抗毒素の投与が遅れると重症化する傾向があり,早期に投与することで進行や重症化を予防できると考えられる。(皮膚の科学,16: 113-119, 2017)
  • 田口 理映子, 永松 麻紀, 小林 佑佳, 東郷 さやか, 小澤 健太郎, 田所 丈嗣, 爲政 大幾, 川津 智是
    2017 年 16 巻 2 号 p. 120-124
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/17
    ジャーナル 認証あり
    70歳代,男性。8年前より鼻根部に結節が出現し,徐々に増大してきたため当院を紹介されて受診した。初診時,鼻根部やや右側に径 16mm で弾性硬の有茎性腫瘤が懸垂していた。腫瘤は表面平滑で赤褐色を呈し,一部に青緑色を呈する部分を認め,毛細血管が透見された。病理組織学的所見では,粘液が豊富な間質の中に上皮性の腫瘍細胞が増殖している部分と管腔・嚢腫様構造を呈する部分とが混在してみられた。管腔・嚢腫様構造では内腔側の上皮細胞と外側の筋上皮細胞の二層性を呈し,一部にアポクリン腺への分化を示唆する断頭分泌像を認めた。腫瘍細胞には異型性や核分裂像はみられなかった。以上の所見より Mixed tumor of the skin(apocrine type)と診断した。Mixed tumor of the skin は表面平滑なドーム状腫瘤を形成することが多く,有茎性を呈して懸垂することは稀と考えられる。(皮膚の科学,16: 120-124, 2017)
  • 野村 祐輝, 植田 郁子, 山﨑 文和, 神戸 直智, 岡本 祐之
    2017 年 16 巻 2 号 p. 125-128
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/17
    ジャーナル 認証あり
    60歳代,女性。飛蚊症があり,眼科を受診したところ,サルコイドーシスを疑われ,当科に紹介された。血液検査では血清 ACE 値と sIL-2R の上昇,胸部単純 CT では縦隔内リンパ節腫大と左肺下葉に多発結節を認めた。右膝蓋に紅色の点状病変があり,同部位からの皮膚生検で非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫がみられたためサルコイドーシスと診断した。家族歴として,兄が20代でサルコイドーシスの肺病変を指摘され,姉も20代で口唇の腫脹からサルコイドーシスと診断されている。弟,妹,両親に発症はなかった。家族性サルコイドーシスは同胞に多く,同一家系内での発端者と二次患者の推定発症年齢差は少ないと報告されている。自験例では同胞の発症年齢との差があり,まれな例と思われた。(皮膚の科学,16: 125-128, 2017)
  • 井上 裕香子, 夏秋 優, 山本 雅章, 羽田 孝司, 今井 康友, 山西 清文, 西井 理恵, 松永 寿人
    2017 年 16 巻 2 号 p. 129-132
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/17
    ジャーナル 認証あり
    40歳代,男性。舌咽神経痛に対してカルバマゼピンの内服を開始した1ヶ月後に,発熱,そう痒を伴う皮疹が出現し,徐々に拡大してきたため当科を受診した。初診時,眼周囲を除く顔面全体に紅斑を認め,体幹,四肢にも浮腫性紅斑が多発,融合し,頸部リンパ節腫脹を触知した。肝酵素上昇があり,病理組織では基底層の液状変性,真皮上層の血管周囲性炎症細胞浸潤を認めた。内服薬を中止し,プレドニゾロン 30mg/日の内服を開始した。皮疹と肝機能異常が軽快したため,プレドニゾロンを漸減,中止した。皮疹軽快後のパッチテストではカルバマゼピンで陽性を示したが,リンパ球刺激試験では陰性であった。経過中,ヒトヘルペスウイルス6型,および7型,サイトメガロウイルス,EB ウイルスの再活性化はみられなかったため,本症例をカルバマゼピンによる非典型 DIHS と診断した。退院後に,気分の落ち込み,希死念慮が出現し,当院精神科を受診し,うつ状態と診断された。精神科での抗うつ薬による治療で症状は3ヶ月後には改善した。DIHS では症状が回復した後に自己抗体の出現や自己免疫性甲状腺炎,劇症1型糖尿病などを発症する症例が知られているが,精神症状を来した症例は稀と思われる。(皮膚の科学,16: 129-132, 2017)
  • 松村 泰宏, 加藤 敦子, 夏見 亜希
    2017 年 16 巻 2 号 p. 133-138
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/17
    ジャーナル 認証あり
    10歳代,女性。既往歴に花粉症。2013年,自家製サツマイモケーキ(低カロリー顆粒状甘味料,おから,さつまいも使用)とチョコレート,レモンジュース摂取後に全身の膨疹と顔面腫脹,呼吸苦が出現し救急搬送された。過去にぶどう味ゼリーで2回,梨ジュースで1回同様の症状が出現したことがあった。摂取食品のプリック・スクラッチテストで低カロリー顆粒状甘味料,ぶどう味ゼリー,梨ジュースに陽性を示した。3製品の共通含有成分はエリスリトールで,プリックテストで陽性。経口負荷試験ではエリスリトール 500mg 摂取後膨疹の出現を確認した。以上よりエリスリトールによる即時型アレルギーと診断した。ぶどう味ゼリーと梨ジュースには,誘発必要量を超える約 5g のエリスリトールが含まれており,アナフィラキシー症状を起こしたと推測した。また,果物,花粉の皮膚テスト,ぶどう,なしの摂取試験の結果より,ぶどう,なし,バナナの口腔アレルギー症候群の合併例と考えた。エリスリトールはノンカロリーのため甘味料として広く使用されている。天然に含まれているエリスリトールは,人工的に添加される量と比し微量であることがほとんどである。エリスリトールアレルギーはまれではあるが,自験例のように果物アレルギーとの診断にマスクされ見逃されている症例がある可能性もあり注意が必要である。(皮膚の科学,16: 133-138, 2017)
  • 高藤 円香, 今長 慶志, 永田 由子, 端本 宇志, 西澤 綾, 佐藤 貴浩
    2017 年 16 巻 2 号 p. 139-145
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/17
    ジャーナル 認証あり
    創内持続陰圧洗浄療法は,褥瘡などの治療に使用される局所陰圧閉鎖療法と整形外科領域で汎用される持続洗浄の両方の効果を兼ね備えた治療方法である。今回我々は,感染を伴う難治性潰瘍患者4例に施行し,いずれにおいても良好な潰瘍の縮小,ポケットの消失がみられ,感染の管理も容易であった。局所陰圧閉鎖療法が感染創に使用出来ず,保険診療上の適用期間が4週間に限られるなどの制約がある一方で,本治療法は保険診療上の期間制限がなく,感染を伴って遷延する難治な潰瘍に対しても有用であり,積極的に試みる価値があると思われた。(皮膚の科学,16: 139-145, 2017)
  • 金久 史尚, 貫野 賢, 峠岡 理沙, 野見山 朋子, 益田 浩司, 竹中 秀也, 加藤 則人
    2017 年 16 巻 2 号 p. 146-149
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/17
    ジャーナル 認証あり
    60歳代,女性。当科初診より約20年前に,歯科での塩酸リドカインによる局所麻酔時に,嘔気・ふらつき・頻脈が出現し,安静にて軽快した。半年ほど前にも,耳鼻咽喉科で塩酸リドカインによる局所麻酔下に鼓膜切開術施行されたところ,同様の症状が出現した。今回,左肘頭部粉瘤の切除目的に当科を受診した際に,塩酸リドカインによるI型アレルギー反応を疑われた。アミド型局所麻酔薬およびエステル型局所麻酔薬について皮膚テストを施行したところ,いずれもアミド型局所麻酔薬の塩酸リドカイン,塩酸ジブカイン,塩酸ブピバカインで陽性であった。アミド型局所麻酔薬アレルギーは非常にまれであるが,文献的にはアミド型同士の交差反応は比較的頻度が高いとされる。本症例も交差反応が示唆された。(皮膚の科学,16: 146-149, 2017)
  • 岡田 みどり, 大川 たをり, 高橋 玲子, 東山 真里
    2017 年 16 巻 2 号 p. 150-154
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/17
    ジャーナル 認証あり
    70歳代,女性。血便,腹痛,39度台の発熱を主訴に内科を受診し,大腸内視鏡検査にて左側結腸炎型潰瘍性大腸炎と診断された。その後,右臀部に膿疱が出現し有痛性潰瘍を形成し,病理組織所見・臨床症状より壊疽性膿皮症の合併と診断した。ステロイド投与にて潰瘍性大腸炎の治療を行うも改善せず,壊疽性膿皮症についても難治であったため顆粒球吸着療法を施行したところ,いずれも速やかに改善した。壊疽性膿皮症のステロイド抵抗例やステロイドの早期減量を目的に白血球除去療法は積極的に行う価値がある治療と考える。現在壊疽性膿皮症単独では白血球除去療法の保険適用がないため,今後適用の拡大が期待される。(皮膚の科学,16: 150-154, 2017)
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