抄録
目的:健康成人を対象にヘパリン類似物質フォームの皮膚安全性を48時間密封パッチテストおよび光パッチテストで評価した。方法:ヘパリン類似物質フォーム,プラセボを入れたチャンバーまたは空チャンバーを被験者の上背部にランダムに貼付した。皮膚安全性は48時間密封パッチテストおよび光パッチテストで評価した。試験薬貼付部位以外の安全性は,有害事象,臨床検査値,バイタルサインで評価した。結果:30例が試験に組み入れられ全例が試験を完了した。皮膚刺激指数はヘパリン類似物質フォームおよびプラセボともに 3.3 で安全品であった。光パッチテストでは,1例でヘパリン類似物質フォームおよびプラセボの両部位に光接触蕁麻疹反応を認めたが,臨床上問題となるような所見ではなかった。UV 照射48時間後には6例でヘパリン類似物質フォーム貼付部位にわずかに強い反応を認め,このうち5例はプラセボも同等の反応であり,基剤成分による軽度光毒性か光アレルギー性かは不明だが,光過敏性の存在は否定できなかった。有害事象はいずれも試験薬との因果関係が否定され,臨床検査値,バイタルサインへの影響はみられなかった。結論:ヘパリン類似物質フォームの皮膚刺激性は低く忍容性があり,臨床上大きな問題となるような光照射による皮膚反応は認められなかったことから,皮膚安全性に問題は少ないと考えた。ただし,実臨床の場で光過敏性に若干の注意を払う必要があると思われた。(皮膚の科学,16: 366-371, 2017)