皮膚の科学
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卵殻,膜末水溶液入り化粧水の透析患者における皮膚そう痒症に対する効果について
尾藤 利憲坂井 瑠実今井 信行久保 充大澤 一郎片山 正哉鈴木 康仁市橋 正光
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2003 年 2 巻 2 号 p. 128-134

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抄録

透析患者に生じる皮膚そう痒症はしばしば激しく,また難治性であり,様々な治療が試されているが,いまだ的確な治療法は確立されていない。今回,我々は,グリセリン含有卵殻,膜末(卵殻末および卵膜末)水溶液入り化粧水の腎透析患者における皮膚そう痒症に対する効果について検討した。対象は,腎不全の結果,透析を受けることになった患者で,そう痒症以外の皮膚疾患を有する者は除外した。外用はそう痒部位への1日3回で,使用前,使用後の皮膚症状(痒み,掻破痕,乾燥)ついて調査した。その結果,4週間後には,グリセリン含有卵殻・膜末水溶液入り化粧水の外用により,痒み,掻破痕,乾燥ともに70%以上の改善度を示し,全般的有用度68.9%,さらにやや有用を含めると90%以上の有用度との結果を得た。

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© 2003 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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