皮膚の科学
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症例
レナリドミドによる血管性浮腫の 1 例
塩入 桃子長尾 愛望月 亮佐田井 志正小倉 香奈子長野 徹
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2022 年 21 巻 4 号 p. 295-299

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抄録

61歳,男性。多発性骨髄腫に対し VRD(ボルテミゾブ+レナリドミド+デキサメタゾン)療法を開始した。 1 コース終了後に全身に瘙痒を伴う紅斑と好酸球増多を認めたが,ステロイド外用で改善した。 2 コース終了後に体幹の浮腫性紅斑,顔面の浮腫,著明な好酸球増多を認めたため当科を紹介受診した。 3 コース目開始後に顔面の浮腫と紅斑が増悪し,好酸球数がさらに増多したため,レナリドミドによる血管性浮腫を疑った。組織学的には真皮の軽度の浮腫とともに血管炎を伴わない血管周囲の好酸球浸潤を認めた。レナリドミドによる血管性浮腫と診断し,レナリドミドの休薬およびプレドニゾロンの内服により速やかな症状の改善とともに,好酸球数の改善を認めた。我々の調べえた限りレナリドミドによる血管性浮腫は自験例を含めて現在まで 6 例のみの報告しかない。レナリドミドによる血管性浮腫の機序はいまだ不明であるが,IgE や好酸球の関与が推察されている。さらに症例の蓄積を待って検討する必要があると考えた。 (皮膚の科学,21 : 295-299, 2022)

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© 2022 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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