2023 年 22 巻 1 号 p. 42-48
症例 1 は35歳女性,症例 2 は25歳女性で,いずれも下腿から足背に網状皮斑,有痛性潰瘍を呈し,皮膚生検でリベド血管症と診断した。エドキサバンを含む抗凝固薬・抗血小板薬・血管拡張薬を投与し,症状はある程度改善したため外来通院で加療していた。しかし, 2 例ともに経過中に症状が増悪し,入院加療を必要とした。難治性であったため,エドキサバンをダビガトランに変更したところ,著効した。近年,リベド血管症に対する経口抗凝固薬(Direct oral anticoagulant : DOAC)有効例の報告が散見されるが,DOAC 間での効果の差は報告されていない。自験 2 例では,DOAC であるエドキサバンからダビガトランに変更後,症状が改善した。難治性のリベド血管症に対して DOAC 間の薬剤変更が有効である可能性を考えるが,一定の見解を得るためには,更なる症例の蓄積を要する。 (皮膚の科学,22 : 42-48, 2023)