皮膚の科学
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症例
ゲフィチニブ(イレッサ®)による皮膚病変
甲斐 裕美子中井 菜美井上 千津子明石 雄策梁 尚志
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2004 年 3 巻 2 号 p. 170-174

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抄録

ゲフィチニブ(イレッサ®)は,強力かつ選択的な上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬で,2002年7月,世界に先駆けわが国で承認され,手術不能あるいは再発の非小細胞肺癌の治療に用いられている。当院では,2002年7月から2003年9月までの1年2ヵ月間に,合計32例に投与され,そのうち17例(53%)に皮膚病変の出現を認めた。それら皮膚病変を,ざ瘡様皮疹,爪囲炎,手掌・足底の乾燥,体幹・四肢の乾燥に分類したところ,ざ瘡様皮疹13例(40%),爪囲炎7例(22%),手掌・足底の乾燥6例(19%),体幹・四肢の乾燥6例(19%)であり,かなり高率に皮膚病変を合併していた。

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© 2004 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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