抄録
患者は71歳女性。2002年7月に左第3頚髄節から第2胸髄節にかけての帯状疱疹に罹患している。1年4ヵ月後の2003年11月には反対側の右側の同神経支配領域に帯状疱疹の再発をみた。再発までの期間がきわめて短いために,悪性腫瘍の合併ならびに免疫機能の低下の有無を検索した。CD4の低下とCD4/CD8比の低下があり,human immunodeficiency virus(以下HIV)感染を疑いenzyme-linked immuno-sorbent assay(以下ELISA法)ならびにWestern blot法で検査したところいずれも陽性反応があり,自験例をHIV感染症と診断した。