皮膚の科学
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綜説
樹状細胞およびランゲルハンス細胞における細胞骨格成分の役割
杉原 昭岡本 祐之堀尾 武
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2004 年 3 巻 5 号 p. 449-454

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抄録

アクチンフィラメント(Fアクチン)は制御蛋白質であるアクチン結合蛋白質と共に,細胞の運動,形態,接着などに重要な役割を果たしている。ランゲルハンス細胞(Langerhans cell 以下LC)および樹状細胞(dendritic cell 以下DC)の形態の変化,抗原の取り込み,T細胞との免疫応答における免疫シナプスの形成においてもFアクチンやアクチン結合蛋白質の関与が報告されている。一方で,LCおよびDCにおけるUVBの働きについては抗原提示能の低下や形態的変化が知られているが,LCおよびDCのFアクチンなどの細胞骨格成分やアクチン結合蛋白質についても,UVB照射により発現が傷害される事が報告されている。これらの結果から,UVBの免疫抑制機序において,LCおよびDCの細胞骨格成分の変化が重要な役割を果たしていることが推測されている。

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© 2004 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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