皮膚の科学
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3 巻 , 5 号
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カラーライブラリー
綜説
  • 杉原 昭, 岡本 祐之, 堀尾 武
    2004 年 3 巻 5 号 p. 449-454
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
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    アクチンフィラメント(Fアクチン)は制御蛋白質であるアクチン結合蛋白質と共に,細胞の運動,形態,接着などに重要な役割を果たしている。ランゲルハンス細胞(Langerhans cell 以下LC)および樹状細胞(dendritic cell 以下DC)の形態の変化,抗原の取り込み,T細胞との免疫応答における免疫シナプスの形成においてもFアクチンやアクチン結合蛋白質の関与が報告されている。一方で,LCおよびDCにおけるUVBの働きについては抗原提示能の低下や形態的変化が知られているが,LCおよびDCのFアクチンなどの細胞骨格成分やアクチン結合蛋白質についても,UVB照射により発現が傷害される事が報告されている。これらの結果から,UVBの免疫抑制機序において,LCおよびDCの細胞骨格成分の変化が重要な役割を果たしていることが推測されている。
  • 戸倉 新樹
    2004 年 3 巻 5 号 p. 455-460
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル 認証あり
    ランゲルハンス細胞は表皮における抗原提示細胞であり,接触皮膚炎の機構に関わる細胞である。しかし薬剤性光線過敏症においても薬剤光産物を担って,T細胞を感作・惹起する。薬剤の経口投与により薬剤は表皮に拡散し,ランゲルハンス細胞の表面に非共有結合する。紫外線の照射により膜蛋白と共有結合し,抗原を担ったランゲルハンス細胞はT細胞を刺激する。薬剤はランゲルハンス細胞表面のMHC classII分子と会合した自己ペプチドに光結合する。
症例
  • 長野 徹, 小阪 博志, 下浦 真一, 鶴 顕太, 山上 奈生, 池田 哲哉, 錦織 千佳子, 吉田 明弘
    2004 年 3 巻 5 号 p. 461-465
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル 認証あり
    肺静脈アブレーションによる放射線皮膚炎の2例を経験した。症例1は50歳男性。症例2は74歳女性。共に心房細動根治のため2回アブレーション施行。症例1は施術の2週間後に右上腕,肩甲骨部に茶褐色斑が出現し,難治性潰瘍を伴う硬化性局面形成。症例2は施術の2週間後に右上腕にびらん面出現し潰瘍形成。自験2例の被曝線量はそれぞれ7.4~29.6Gy,5.6~22.4Gyの範囲と推定され,皮膚壊死の閾値線量(18Gy)を超えていた可能性がある。本治療は撮影条件を固定し,右上腕外側に管球が位置するため右上腕を中心に潰瘍が生ずる。本法の手技の普及に伴い同様症例の増加が予想され警鐘を鳴らす意味を込め報告した。
  • 上埜 剣吾, 荒金 兆典, 浅井 睦代, 川田 暁, 手塚 正
    2004 年 3 巻 5 号 p. 466-470
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル 認証あり
    患者は38歳,女性。急性扁桃腺炎の診断により近医でクリンダマイシンの点滴と塩酸ミノサイクリンの内服を受けたところ,多型滲出性紅斑様の皮疹が出現したため当院紹介となった。発熱と軽度の肝機能異常を伴っていた。クリンダマイシン,ミノサイクリンの使用を中止し,ホスホマイシン内服に変更したうえで,プレドニゾロン30mg/日の内服を開始したところ皮疹は改善し,発熱,肝機能も正常化した。経過中HHV-6のIgM抗体価,IgG抗体価は軽度から中程度の亢進を認めた。貼付試験を行ったところクリンダマイシン(10%,1%,0.1%)の各濃度全てに陽性反応を示し,HHV-6に誘発されたクリンダマイシンによる薬剤過敏症であると診断した。
  • 山上 奈生, 佐々木 祥人, 川上 尚弘
    2004 年 3 巻 5 号 p. 471-475
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル 認証あり
    症例は30歳,女性。両前腕の水疱,紅斑を主訴に来院した。両手背から上腕にかけてそう痒および疼痛を伴う緊満性の,一部癒合した大小の水疱,紅斑,熱感を伴う腫脹を認めた。また,上腕の中枢側は正常部と皮疹の境界が明瞭であった。左上腕部の皮膚生検の病理組織では,膠原線維とその周囲に好酸球の集簇と脱顆粒をしている,いわゆるflame figure像を呈していた。以上より本例をeosinophilic cellulitisと診断した。本症例では皮疹出現の1ヵ月前に強い日光曝露の既往があり,sunburn部に一致して皮疹が出現した。このことから,photo recall様現象が関与したeosinophilic cellulitis の1例と考えた。また過去の報告例についても検討を加えた。
  • 渡邉 理枝, 三浦 健太郎, 秋山 正基, 末木 博彦, 飯島 正文, 白岩 照男
    2004 年 3 巻 5 号 p. 476-480
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル 認証あり
    81歳,男性。現病歴:1年前より右腋窩に紅色結節が出現した。現症:右腋窩に10×10×7mmの有茎性紅色結節を認め,弾性硬に触知し,下床との可動性は良好であった。Eccrine poromaを疑い切除。病理組織所見:真皮に大小の管腔構造を伴う腫瘍巣が増殖していた。断頭分泌はなかった。一部表皮と連続する管状構造がみられた。壁細胞は一部で管腔内へ乳頭状に突出。免疫組織化学的所見:CEA陽性, S-100蛋白,EMAは一部陽性,HMFG1,2は共に陰性。以上の所見よりエクリン汗腺分化が示唆され,papillary eccrine adenomaと診断した。
  • 光石 幸市, 長谷川 敏男, 久保田 恭子, 小川 秀興
    2004 年 3 巻 5 号 p. 481-484
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル 認証あり
    34歳男性。左手掌の皮下腫瘍。病理組織学的所見では,一部に管腔構造を認め,その他大部分の領域は類円形の細胞より構成されていた。腫瘍を構成している主体の類円形の細胞はH-E染色,免疫染色より,筋上皮細胞と判断された。本症例を筋上皮系に分化した皮膚混合腫瘍と診断した。皮膚科領域における筋上皮細胞から成る混合腫瘍はほとんど報告がなく,極めて珍しい症例と考えた。
  • 曽我 富士子, 花田 圭司, 加藤 則人, 岸本 三郎
    2004 年 3 巻 5 号 p. 485-488
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル 認証あり
    73歳,女性。平成14年6月頃より歯肉に紅色のカリフラワー状の結節が出現。その後,上口唇,頬粘膜にも拡大し,平成15年2月当科を受診した。初診時,上口唇,歯肉,両頬粘膜にカリフラワー状の結節が多数みられた。皮膚生検よりoral florid papillomatosisと診断した。広範囲に腫瘍がみられたため,平成15年3月よりphotodynamic therapyを施行した。施行後3日目頃より腫瘍の縮小がみられた。2~3週間毎に施行し腫瘍は4分の1以下に縮小したが,一部で縮小したところより増大傾向を示したため平成15年10月よりエトレチナート内服を追加したところ,腫瘍の再発はみられなくなり,平成15年3月にはほぼ消失し,その後5ヵ月間再発はみられない。
  • 光石 幸市, 村松 重典, 小川 秀興
    2004 年 3 巻 5 号 p. 489-492
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル 認証あり
    75歳男性。外陰部に腫瘤を伴う紅斑が出現した。生検にて病理組織学的にPaget病と診断された。右鼠径リンパ節に転移を認めたため,手術後補助療法としてCDDP,5-FUからなる化学療法を1クール施行したが,3ヵ月後,外腸骨リンパ節に転移を認めた。リンパ節転移に対し放射線療法を施行したところ,転移巣は消失し,2年半後の現在まで再発を見ない。Paget病に対する放射線治療は進行期の手術不能例に選択される場合がほとんどであるが,手術療法後のリンパ節にたいする補助治療としての選択肢も可能ではないかと考えた。
  • 梅原 真紀子, 速水 淳史, 中東 祐子, 黒川 一郎, 楠本 健司
    2004 年 3 巻 5 号 p. 493-496
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル 認証あり
    症例は62歳,男性。手術療法と術後の電子線治療が奏功した皮膚原発anaplastic large cell lymphoma(ALCL)の1例を報告する。左肩甲部に存在する直径25mm大の扁平隆起性結節は3cm腫瘍辺縁より離して,切除された。病理組織学的にCD30陽性のanaplastic large cellの稠密な浸潤が真皮全層にわたり,みとめられた。術後,腫瘍のあった部位に4MeVの電子線治療(30Gy)の放射線治療が行われた。現在に至るまで臨床的に腫瘍の再発はみられていない。今回の症例は術後における付加的な放射線治療が腫瘍の局所再発防止に有用である可能性を示唆している。
  • 正木 太朗, 中村 敦子, 谷 昌寛
    2004 年 3 巻 5 号 p. 497-500
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル 認証あり
    36歳,男性。同性愛者。1999年4月にアメーバー性肝膿瘍で当院消化器内科入院時にHIV感染の可能性を指摘され検査をしたところ陽性であった。2003年8月上旬より顔面,躯幹,四肢に小豆大から豌豆大までの暗紅色丘疹および結節が多発してきた。皮疹の中央部にはびらん,血痂,痂皮を伴うものを多く認めた。RPR法 128倍,VDRL法 64倍,TPHA法 20,480倍,FTA-ABS-IgMは陽性であった。皮疹の病理組織学的所見とあわせてHIV感染者に発症した2期梅毒疹と診断した。アモキシシリン1000mg/日を4週間内服投与したところ,約2ヵ月後には梅毒の皮疹は色素沈着のみとなり,臨床検査結果も著明に改善した。
治療
  • 松葉 祥一, 秋山 知加, 高森 建二
    2004 年 3 巻 5 号 p. 501-506
    発行日: 2004年
    公開日: 2011/11/07
    ジャーナル 認証あり
    かゆみを伴う皮膚疾患患者は,治療に用いられている内服薬に対し何らかの不満を持つ割合が多く,第二世代抗ヒスタミン薬に「高い効果」と「速効性」を求めている。患者が求める効果の高い薬剤を的確に処方するために,問診時に市販感冒薬等による眠気発現の既往や,内服薬に対する希望等の患者ニーズを調査し,薬剤を割付ける治療を実施した。その結果,患者ニーズに合致した塩酸オロパタジンを処方した群においては,眠気の発現頻度を軽減し,高い治療効果と治療に対する高い患者満足度が認められた。今回のような問診を利用した薬剤の選択により,薬剤特性を活かし,治療に対する患者満足度をより高めることができることが示唆された。
第2回関西乾癬懇談会
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