皮膚の科学
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症例
電子線療法が有効であった日光角化症の1例
熊本 貴之杉原 和子山田 秀和岡嶋 馨
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2004 年 3 巻 6 号 p. 563-566

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抄録
85歳,男性。平成13年9月頃より左側頭部にそう痒を伴う紅斑が出現した。その後,紅斑の一部に糜爛と痂皮を伴ってきたため,平成14年10月26日当科初診となった。初診時,左側頭部に角化性局面と痂皮を伴う6.7×4.2cmの紅斑が存在した。生検の結果,日光角化症と診断した。治療は高齢であること,心筋梗塞の既往があること,心不全の合併等の因子を考慮した結果,手術のリスクが高いと判断し電子線療法を選択した。電子線を計45Gy(3.0Gy×15回)照射したところ重篤な副作用も無く,腫瘍は消失した。治療終了19ヵ月後の現在も再発は見られていない。
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© 2004 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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