2004 年 3 巻 Suppl.4 号 p. A24-A27
小児,とりわけ乳幼児のアトピー性皮膚炎(AD)では,掻破が最大の悪化因子といっても過言ではない。掻くにまかせていると決して皮膚症状はよくならないので,手袋,袖・裾のテーピング,包帯など積極的な掻破予防対策が必要である。また,ADのある小児が成長する過程においては乾燥環境からいかに皮膚を保護し,保湿をはかるかが大切である。さらに,現代社会では少子化に伴う育児・親子ストレスが基本的に存在し,子どもの掻破行動・症状の悪化に拍車がかかるので,メンタルケア・ストレス解消プログラムが治療上の重要な課題となる。