皮膚の科学
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症例
梅毒性フランベジアを呈した第2期梅毒の1例
菅谷 直樹鈴木 加余子溝口 良順堤 寛大谷 道廣松永 佳世子
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2005 年 4 巻 1 号 p. 67-71

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抄録
51歳男性。1年前にブラジルで現地女性と性的接触があった。半年前より頚部リンパ節腫脹を自覚し,1週間前より掌蹠,陰部,口腔内,頚部に自覚症状を伴わない皮疹が出現したため,当科を受診した。掌蹠には東南アジア,ラテンアメリカなどの風土性トレポネーマ症である熱帯フランベジアに類似し境界明瞭に隆起した皮疹と,乾癬に類似した鱗屑を伴う皮疹を認めた。初診時TPLA 19,800T.U.,ガラス板法64倍であった。熱帯フランベジアとの鑑別診断を要したが,問診から推測した感染経路,発症年齢などからブラジルで感染した梅毒と診断した。アモキシシリン(1000mg/day)で治療し,皮疹は約3週間で消褪した。
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© 2005 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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