皮膚の科学
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症例
Tipepidine Hibenzateによる播種状紅斑丘疹型薬疹の1例
梅原 真紀子黒川 一郎槙林 親教
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ジャーナル 認証あり

2005 年 4 巻 2 号 p. 121-124

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抄録
症例は66歳,女性。Tipepidine hybenzate(アスベリン®)による播種状紅斑丘疹型薬疹の1例を報告する。咽頭痛のため,3種類の薬剤を内服後の翌日に激しい痒みをともなう播種状にmaculo-papular erythemaが全身に出現した。患者には発熱はみられなかったが,嘔吐,腹痛を訴えた。病理組織学的所見では真皮上層に浮腫をともなった血管周囲性のリンパ球の浸潤がみとめられた。検査所見では好中球増多をともなう白血球増加,LDH,CRPの上昇と血清クレアチニンの上昇,血尿の軽度の腎障害がみられた。20mg Tipepidine hibenzate の内服誘発テストによって原因薬剤が確定された。
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© 2005 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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