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小倉 千香, 夏秋 優, 平野 愛, 八杉 由美, 宮田 明子, 山西 清文
2005 年 4 巻 2 号 p.
111-115
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
患者は67歳,女性。頭部にそう痒を伴う紅斑を認め,近医で加療されていた。リドメックス
®ローションを外用後,後頚部にも紅斑が拡大してきた。接触皮膚炎を疑いパッチテストを施行したところ,リドメックス
®ローションにて陽性で,リドメックス
®ローションの成分別パッチテストでは,吉草酸酢酸プレドニゾロンで陽性であった。各種外用剤のパッチテストでは,ロコイド
®で陰性,パンデル
®で陽性であり,吉草酸酢酸プレドニゾロンとの交叉性が示唆された。
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原田 晋, 吉崎 仁胤, 福永 淳, 堀川 達弥, 清水 秀樹, 足立 厚子, 林部 一人
2005 年 4 巻 2 号 p.
116-120
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
32歳,男性。小児期にエビ,カニ摂取後に口唇腫脹・全身性蕁麻疹の既往があった。特に明らかな誘因なく全身性蕁麻疹が生じ,近医で抗アレルギー剤やステロイド剤などの内服薬を処方されたが効果を認めないため,当科を紹介され受診した。自己血清やオビソート皮内テストおよびアスピリン負荷試験は陰性であった。特異的IgEではダニ,エビ,ガでクラス3,カニ,ゴキブリ,ユスリカでクラス2陽性であり,プリックテストでもエビ,カニ,ダニ,ゴキブリで陽性を示した。さらにトロオポミオシン特異的IgEがクラス2と陽性を認め,自験例の蕁麻疹の発症にトロポミオシンアレルギーが関与している可能性があると考えた。治療は抗アレルギー剤に抗ロイコトリエン剤であるモンテルカストを併用したところ膨疹出現の著明な抑制を認め,現在経過良好である。
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梅原 真紀子, 黒川 一郎, 槙林 親教
2005 年 4 巻 2 号 p.
121-124
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
症例は66歳,女性。Tipepidine hybenzate(アスベリン
®)による播種状紅斑丘疹型薬疹の1例を報告する。咽頭痛のため,3種類の薬剤を内服後の翌日に激しい痒みをともなう播種状にmaculo-papular erythemaが全身に出現した。患者には発熱はみられなかったが,嘔吐,腹痛を訴えた。病理組織学的所見では真皮上層に浮腫をともなった血管周囲性のリンパ球の浸潤がみとめられた。検査所見では好中球増多をともなう白血球増加,LDH,CRPの上昇と血清クレアチニンの上昇,血尿の軽度の腎障害がみられた。20mg Tipepidine hibenzate の内服誘発テストによって原因薬剤が確定された。
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清水 秀直, 原 弘之, 福田 直純, 升田 貴子, 照井 正
2005 年 4 巻 2 号 p.
125-128
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
55歳女。約6年前から左下肢に夏季増悪,冬季寛解を繰り返す自覚症状のない皮疹が出現した。家族内に同症はない。左臀部および大腿内側からアキレス腱にかけて褐色の鱗屑を付着する角化性丘疹がBlaschko線に一致して配列していた。病理組織では基底層直上での裂隙,裂隙内に棘融解細胞,表皮上層に異常角化細胞を認め片側性Darier病と診断した。ステロイド軟膏およびビタミンD
3軟膏外用が奏効しなかったため,エトレチナートを内服したところ皮疹は軽快した。Blaschko線に沿った皮疹では,胎生期の突然変異によって生じたモザイクの可能性が推測されることから,自験例は接合後突然変異が関与したDarier病のモザイク病変であることが推測された。
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小林 麻衣子, 原 弘之, 落合 豊子, 鈴木 啓之
2005 年 4 巻 2 号 p.
129-133
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
46歳,男性。約2年前より出現した鼻部の丘疹が増大したため当科を受診した。初診時,左鼻翼部,鼻尖部に光沢を有する硬い紅褐色丘疹が一部では融合して認められた。皮膚生検にて真皮全層にわたるエオジン好性の沈着物を認め,免疫組織化学的検索で沈着物はALκアミロイドと同定された。全身検索にて全身性アミロイドーシスは否定され,nodular localized primary cutaneous amyloidosisと診断した。
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進藤 綾子, 原 弘之, 照井 正
2005 年 4 巻 2 号 p.
134-137
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
42歳の女性。10年前に顔面,手指背に皮疹が出現したため当科を受診した。皮膚筋炎を疑い左第3指MP関節より皮膚生検を行った。筋力の低下はなく筋原性酵素の上昇もみられなかったためamyopathic dermatomyositisと診断した。間質性肺炎や内臓悪性腫瘍の合併はなかった。その後しばらく来院しなかったが,今回受診の2ヵ月前から顔面の皮疹が増悪したため再度受診した。前回受診時から観察される左第3指MP関節の角化性丘疹より皮膚生検を行ったところ,ごく軽微な液状変性と真皮血管周囲のリンパ球浸潤などの所見に加え,真皮乳頭層にアミロイドの沈着を認めた。アミロイド沈着部は免疫組織化学染色に34βE12および抗CK5抗体で陽性であった。
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幾井 宣行, 大津 詩子, 草壁 秀成, 清金 公裕
2005 年 4 巻 2 号 p.
138-141
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
3歳,男児。初診の約1ヵ月前より水痘の瘢痕部位とは一致しない直径5mmまでの白色の皮膚面より扁平に隆起する弾性硬の皮疹が背部を中心に散在性に出現。病理組織学的検索より結合組織母斑と診断した。なお,母親(35歳)・兄弟(7歳,男児・5歳,女児)にも同様の皮疹が認められたため,姉を除く母親および兄に対しても精査し,ほぼ同様の所見が得られた。
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朴 順華, 新藤 季佐, 鈴木 伸典
2005 年 4 巻 2 号 p.
142-145
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
31歳,女性。初診1996年7月12日。幼少時に発症した,右耳前部の直径4mmの紅色結節を主訴に受診した。病理組織学的所見では,腫瘍巣は真皮内に島状に存在し,比較的大きな1個の嚢腫様構造を認めた。腫瘍巣と表皮との連続性は認めなかった。腫瘍細胞は比較的単一で細胞質は少なく,円形あるいは楕円形の核を有するいわゆるporoid cellであった。胞体の明るいclear cellは認めなかった。以上よりAbenozaとAckermannの分類に基づくporoid hidradenomaと診断した。
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石渕 裕久, 清水 晶, 永井 弥生, 田村 敦志, 石川 治
2005 年 4 巻 2 号 p.
146-149
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
72歳女性。初診10ヵ月前に鼻尖部,その2ヵ月後に上口唇右側上方に結節が出現。組織学的にいずれも充実型基底細胞癌であった。明らかな発生母地と考えられる病変はみられなかった。基底細胞癌の多発は稀ではないとされている。発生母地を有さない多発性BCCの本邦報告例につき検討を加え報告する。
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加茂 統良, 福永 淳, 松田 聡子, 干谷 奈穂, 市橋 正光, 今堀 良夫
2005 年 4 巻 2 号 p.
150-153
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
現在,
18F-fluorodeoxyglucose(FDG)を用いたpositron emission tomography(PET)が悪性腫瘍における原発巣の検出,鑑別診断,病期・再発診断,あるいはてんかん,虚血性心疾患の病態把握に用いられ,高い検出能と精度が得られている。これまでも悪性黒色腫における熱中性子捕捉療法に
10B-boronophenylalanineが用いられているが,そのアナログである
18F-
10B-fluoroboronophenylalanine(FBPA)をPETに応用することで,脳実質の高い糖代謝のため従来は悪性腫瘍の診断が困難であった脳神経外科領域の神経膠腫,神経膠芽腫などの診断に試みられ,FDGに比べて高い感度,解像度が得られている。今回,35歳男性,背部原発の悪性黒色腫の肝転移例について,FBPAを用いたPETを施行,FDGによる画像と比較する機会を得たので報告する。
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榎原 直樹, 泉 敦子, 山本 純照, 浅田 秀夫, 宮川 幸子
2005 年 4 巻 2 号 p.
154-156
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
74歳, 女性。初診の20日前に左手背に自覚症状を伴わない大豆大,弾性硬,可動性を有し皮下を移動する単発性の結節に気づいた。同部に外傷・注射の既往はない。手術により周囲組織と癒着のない表面平滑な黄白色の結節を摘出した。組織学的には薄い線維性結合組織の被膜により被包された,正常に近い蜂巣状構造をなす脂肪組織の像を呈した。特異的な臨床像および病理組織像より,mobile encapsulated lipomaと診断した。
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中野 一仁, 前川 直輝, 國行 秀一, 鈴木 伸典
2005 年 4 巻 2 号 p.
157-161
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
症例:3歳女児。初診:平成16年4月12日。初診10日前より四肢に自覚症状のない紅色丘疹が出現し,5日後より発熱を認めた。末梢血白血球73,000/mm
3,芽球89.0%であった。病理組織学的に表皮直下および真皮上層血管周囲にCD56陽性の芽球様細胞の浸潤がみられ,表皮内にも散見された。浸潤細胞はミエロペルオキシダーゼ染色陰性で,cCD3陽性,sCD3陰性,CD33陽性,CD56陽性であった。以上より,myeloid/NK cell precursor acute leukemiaと診断した。化学療法後に臍帯血移植を行い寛解状態を維持している。
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松田 聡子, 鬼木 俊太郎, 国定 充, 清水 秀樹, 村田 洋三, 熊野 公子
2005 年 4 巻 2 号 p.
162-167
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
77歳女性。左大腿の紫紅色腫瘤を主訴として,初診した。皮膚生検の結果,胞体にアズール顆粒を含むリンパ球様細胞を認め,T cell receptorの遺伝子再構成の単クローン性を認めずCD56,CD57陽性であったことから,節外性NK/T cell Lymphoma,鼻型と診断した。CT画像上,他部位に病巣を認めず,骨髄にも浸潤は認められなかった。Biweekly CHOP,放射線治療,カルボプラチンーエトポシド救済療法にて一時寛解した。3ヵ月後,急激に意識障害が発症し,髄液中に腫瘍細胞を認め,髄注化学療法を開始した。意識障害は軽度回復したが,DIC,汎血球減少を発症。また,眼底,骨髄,及び末梢血にも腫瘍浸潤を認めた。全身転移にて永眠した。
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松永 亜紀子, 高井 利浩, 竹本 利行, 中川 暁子, 振角 和利, 坪田 次郎
2005 年 4 巻 2 号 p.
168-171
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
55歳,男性。発熱,意識障害,疼痛を伴う皮疹を認め,救急搬送された。右頚部,両上肢,右下肢の紅斑と右膝部の膿疱を認め,膿疱内容液よりA群溶連菌が検出された。腎不全,肝不全を合併し,両上肢は壊死性筋膜炎を生じていた。劇症型A群溶連菌感染症と診断し,緊急デブリードマンを施行し,その後の集学的治療により救命しえた。右膝部の膿疱と血中から同種の菌が検出され,この皮疹を敗血疹と考えた。
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中川 真実子, 長島 千佳, 秋田 浩孝, 矢上 晶子, 松永 佳世子
2005 年 4 巻 2 号 p.
172-174
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
50歳,女性。飼い猫のけんかを止めようとして,右前腕部を爪で引っ掻かれた。その翌日から同部位に腫脹,疼痛,膿瘍を生じ当科を受診した。膿の細菌培養の結果,原因菌を
Pasteurella multocidaと同定した。ミノマイシン200mg/日投与で治療し,症状は軽快したが,病巣部に違和感が1ヵ月残存した。本疾患は基礎疾患を有する患者が罹患すると重症化するおそれがあるため,初期の適切な診断,検査,治療が重要である。
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濱 雅世, 山中 隆嗣, 田崎 典子, 園田 早苗
2005 年 4 巻 2 号 p.
175-178
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
77歳男性。平成16年2月初旬より左膝に発赤・腫脹・熱感が出現した。徐々に左下腿にも発赤・腫脹が拡大し2月18日に当科受診した。受診時は左膝窩に浸潤を触れる紅斑と左下腿に発赤・腫脹,左大腿内側に圧痛を伴う索状硬結を認めた。入院の上,抗生剤を点滴するも効果なく,皮膚症状は増悪,拡大した。皮膚生検でクリプトコックス感染症が疑われた。皮膚組織真菌培養で
Cryptococcus neoformansが検出された。血清クリプトコックス抗原値は陽性であった。以上の結果より全身性クリプトコックス症と診断し,抗真菌剤の治療を開始したところ全身の炎症所見や皮膚症状は消失した。
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安念 美雪, 東竹 逸子, 山田 裕道
2005 年 4 巻 2 号 p.
179-182
発行日: 2005年
公開日: 2011/05/17
ジャーナル
認証あり
生後1日,男児。出生時より左5指基部尺側に,直径2mm,長さ6mmの茎状物でつながる直径25mmの球形の腫瘤を認めた。組織学的に幼若な汗腺,血管,骨組織,軟骨組織などの指の構成成分を認め,小指多指症と診断した。治療は炭酸ガスレーザーを用いて茎部の小指付着部で切除した。
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