2005 年 4 巻 3 号 p. 235-239
約7年間にわたり陰部,顔面,背部に繰り返し単純性疱疹が発症している症例を経験した。この症例について,異なる時期に異なる部位より2型HSVが分離された。
単純ヘルペスウイルス(HSV)DNAを制限酵素で処理し,その断片の電気泳動像を解析するDNAフィンガープリント法は,HSVの型鑑別のみならず同じ型に属する異株との判別もほぼ可能であることより,今回分離された2株のHSVが同一株であるか否かについて,5種類の制限酵素を用いた切断パターンの解析と共に,温度依存性およびアシクロビル感受性についての生物学的性状も検討した。その結果,2株は同一のウイルス株である可能性が極めて高いと思われた。