皮膚の科学
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症例
ベーチェット病患者の経過中にみられた薬剤誘発性横紋筋融解症の1例
梅田 二郎岡田 明子西野 洋森田 博子片岡 葉子
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2006 年 5 巻 1 号 p. 27-31

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抄録
50歳,男性。1986年,当科にてベーチェット病と診断。コルヒチン,ヨウ化カリウムなどの内服にて病勢はコントロールされていた。2004年4月,結節性紅斑の新生がみられたため,同年5月初めよりコルヒチンを増量後,筋力低下を自覚するようになった。5月21日,CK 13396IU/Lと高値で,横紋筋融解症の診断にて緊急入院した。内服薬剤をすべて中止し,大量輸液を開始して利尿及び尿のアルカリ化をはかった。甲状腺機能低下も認めたため補充療法を開始した。筋症状は徐々に軽快し,治療開始2週間でCK値は正常化した。コルヒチンを除いた内服薬の再投与を行ったが症状の再発は認めなかった。横紋筋融解症の主因はコルヒチンと考えられるが,ヨウ化カリウムの内服が原因と考えられる甲状腺機能低下も発症の背景となったと考えた。
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© 2006 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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