55歳男性(症例1),73歳男性(症例2)に生じたtoe web infection例を経験した。2例とも前医で真菌のKOH直接鏡検を受けず,視診のみで足白癬と診断され外用抗真菌剤を処方されていた。来科時,ともに趾間に悪臭と緑色の浸出液を伴う糜爛を認め,疼痛のため歩行は困難であった。糖尿病はなかった。病変部辺縁の角質からのKOH直接鏡検法は真菌陰性で,培養では
Pseudomonas aeruginosaが分離された。症例1は局所洗浄,デブリートメントに加え抗菌剤含有軟膏や抗潰瘍剤による外用療法は無効であったが,抗菌剤の点滴で速やかに軽快した。症例2は初診時より抗菌剤の点滴,スルファジアジン銀の外用を行い治癒した。
自験例は抗真菌剤外用を含む各種局所療法では難治であり,早期からの抗菌剤の全身投与による原因菌の除去を契機に治癒したと考えた。
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