皮膚の科学
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症例
多発性の皮膚潰瘍,壊疽を生じた全身性強皮症の2例
石渕 裕久永井 弥生遠藤 雪恵岡田 悦子田子 修菅原 伸幸松島 陽一郎田村 敦志石川 治
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2006 年 5 巻 2 号 p. 148-152

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抄録

症例1は46歳女性。全身性強皮症発症9年後に足部に潰瘍と紫斑が出現。潰瘍悪化時MPO-ANCA高値であり,入院後腎機能が悪化,ANCA関連腎炎の診断でPSL 40mg/日を開始した。その後全足趾が壊疽となった。症例2は44歳女性。両足部に潰瘍,足趾壊疽を生じ,間質性肺炎の悪化もありPSL 30mg/日を投与した。動脈造影では趾動脈に加え足底動脈,後脛骨動脈に狭窄,閉塞がみられた。いずれも壊疽となった足趾の離断や,頻回のデブリードマンにて治癒した。全身性強皮症ではときに指趾動脈よりも中枢側の血管に病変がみられ,これが多発性潰瘍や壊疽形成に関与すると考えられる。

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© 2006 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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