皮膚の科学
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5 巻 , 2 号
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綜説
  • 吉良 正浩, George Cotsarelis
    2006 年 5 巻 2 号 p. 117-120
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
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    現在,幹細胞を用いた再生医療に多くの期待が集まっている。皮膚科学においては,この1,2年の間に,毛包幹細胞の研究に大きな進展が見られた。すなわち,マウスとヒトの皮膚から毛包幹細胞を分離する技術が開発されたこと,および皮膚の長期維持および創傷時における毛包幹細胞の役割が明らかにされたことである。毛包幹細胞を用いた再生医療を実現するために克服しなければならない課題,問題点について言及した。
症例
  • 浅野 幸恵, 古市 恵, 乗杉 理, 日野 孝之, 清水 忠道
    2006 年 5 巻 2 号 p. 121-124
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    51歳,男性。1年前より気管支喘息に罹患し加療中である。初診の20日前より左下肢に紅斑,浮腫,腫脹,水疱が出現したため当科を受診した。その後,両下肢,腹部に紫斑,小丘疹を混在した多彩な皮膚病変を生じ,発熱も伴うようになった。末梢血好酸球の増多,血清IgE値の上昇を認め,下部消化管内視鏡生検にて血管外肉芽腫の所見が得られたためアレルギー性肉芽腫性血管炎と診断した。
  • 横見 明典, 辻 真紀, 佐藤 彩子, 荻堂 優子, 東山 真里, 中村 敏明, 石井 文人, 橋本 隆
    2006 年 5 巻 2 号 p. 125-132
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    症例1,72歳,男性。平成14年12月より頭部に水疱びらんを生じ,その後四肢,口腔内へ拡大した。症例2,40歳,男性。平成15年2月より手背部に水疱,紅斑を生じ,その後全身,口腔内へ拡大した。病理組織学的所見は共に表皮下水疱像を認め,1M食塩水剥離皮膚蛍光抗体法間接法にて真皮側にIgGの線状沈着を認め,真皮抽出液による免疫ブロット法では290kDのVII型コラーゲンと反応した。症例1,2を後天性表皮水疱症と診断した。症例1はプレドニゾロン,コルヒチン内服にて治療開始するも,無顆粒球症発症のためコルヒチンを中止した。DDS投与後に,症状が改善した。症例2はプレドニゾロン,DDS投与後に症状が改善した。
  • 吉田 衣里, 千代丸 康治, 福田 均, 濱田 信, 野村 哲彦
    2006 年 5 巻 2 号 p. 133-138
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    52歳,女性。骨髄異形成症候群,Tolosa-Hunt症候群にてプレドニゾロン内服中に無菌性の頚部皮下膿瘍を発症。ついで生じた縦隔膿瘍に対して開胸ドレナージを施行後,創部皮膚を中心に壊死性変化が生じ,辺縁で周堤をなす浸潤性紅斑局面となった。病理組織所見は,真皮浅層から深層の稠密な好中球浸潤。各種培養検査は陰性。壊疽性膿皮症と診断した。頚部,縦隔の無菌性膿瘍も同症に伴うものと考えた。ヨウ化カリウム内服が一時有効であったが,G-CSF使用を契機に増悪し,メチルプレドニゾロン500mg/day 3日後,プレドニゾロン30mg/day内服にて約3ヵ月後瘢痕を残し上皮化した。
    内臓に無菌性膿瘍を伴った壊疽性膿皮症の報告例について文献的考察を加えた。
  • 秋山 知加, 吉田 暁子, 高森 建二
    2006 年 5 巻 2 号 p. 139-143
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    78歳,男性。約45年前より両下腿から足背に自覚症状を伴わない米粒大の角化性丘疹が多発。病理組織学的には,皮疹に一致した部位での角質の著明な増生と表皮のテント状突出及び真皮の細胞浸潤を認めた。臨床像と組織像より,hyperkeratosis lenticularis perstans(HLP)と診断した。カルシポトリオール外用を試みたところ,3ヵ月後には臨床所見,病理組織学的所見ともに角化異常所見が改善した。カルシポトリオール外用が奏功したHLPの1例として,若干の考察を加え報告する。
  • 室田 浩之, 尾上 正浩, 小豆澤 宏明, 片山 一朗, 森友 寿夫
    2006 年 5 巻 2 号 p. 144-147
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    34歳,女性。平成15年夏よりレイノー症状出現後,四肢末梢から始まる皮膚硬化領域が急速に拡大した。約8ヵ月後には手指関節屈曲拘縮に至ったため,近医受診。全身性強皮症の診断で当院紹介。ステロイド及びシクロスポリン内服治療開始され,皮膚硬化の改善を認めるも手指屈曲拘縮は進行し,腱緊張のバランス異常に伴うPIP関節亜脱臼と高度の関節可動域制限を伴った。そこで当院整形外科でPIP関節短縮骨切り・関節固定,浅指屈筋腱切腱術,総指伸筋腱延長術,総指伸筋腱腱鞘除去による手指機能回復を試み,関節可動域の改善をみた。術中の特筆すべき所見として前腕での総指伸筋腱腱鞘の著しい肥厚・線維化が認められ,この腱鞘の切除が腱の緊張を弱めるのに有用であった。強皮症に伴う手指関節拘縮がステロイド,免疫抑制剤などの保存的治療によって改善しない場合,手術を含めた包括的治療も考慮すべきと考える。
  • 石渕 裕久, 永井 弥生, 遠藤 雪恵, 岡田 悦子, 田子 修, 菅原 伸幸, 松島 陽一郎, 田村 敦志, 石川 治
    2006 年 5 巻 2 号 p. 148-152
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    症例1は46歳女性。全身性強皮症発症9年後に足部に潰瘍と紫斑が出現。潰瘍悪化時MPO-ANCA高値であり,入院後腎機能が悪化,ANCA関連腎炎の診断でPSL 40mg/日を開始した。その後全足趾が壊疽となった。症例2は44歳女性。両足部に潰瘍,足趾壊疽を生じ,間質性肺炎の悪化もありPSL 30mg/日を投与した。動脈造影では趾動脈に加え足底動脈,後脛骨動脈に狭窄,閉塞がみられた。いずれも壊疽となった足趾の離断や,頻回のデブリードマンにて治癒した。全身性強皮症ではときに指趾動脈よりも中枢側の血管に病変がみられ,これが多発性潰瘍や壊疽形成に関与すると考えられる。
  • 山田 陽三, 岡 昌宏, 錦織 千佳子
    2006 年 5 巻 2 号 p. 153-156
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    48歳,女性。初診の約4ヵ月前に近医内科でバセドウ病と診断されたが,その経過観察中に顔面に蝶形紅斑様皮疹が生じてきた。レイノー現象,眼乾燥感,口腔乾燥感も認めた。口唇唾液腺組織像,眼科的検査所見,および抗SS-B抗体陽性などからシェーグレン症候群と診断した。頬部の紅斑の病理組織像において,血管および附属器周囲のリンパ球浸潤はみられたが,液状変性は認められず,また病変部のループスバンドテストは陰性であった。蝶形紅斑または蝶形紅斑様皮疹を呈した,全身性エリテマトーデスを合併していないシェーグレン症候群の報告は稀であり,またバセドウ病を合併している点が興味深いため報告した。
  • 加藤 真弓, 中川 雄仁, 荒木 絵里, 内藤 素子, 宮地 良樹, 宇谷 厚志
    2006 年 5 巻 2 号 p. 157-161
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    症例1:42歳女性。症例2:48歳女性。2例とも数年前より,両手背から前腕にかけて自覚症状を伴わない直径2~3mmの白色~黄白色丘疹が散在性に出現してきた。症例1は,甲状腺腫摘出の既往があるが現在は治癒しており,2例とも基礎疾患は存在しない。病理組織検査より,離開した真皮膠原線維間にヒアルロン酸沈着を証明できた。以上より丘疹性ムチン沈着症(papular mucinosis)と診断した。2001年提唱されたRongioletti and Roberaの臨床分類によると,限局性丘疹性ムチン沈着症(localized papular mucinosis)のうち,肢端に限局し慢性に経過する肢端持続型丘疹性ムチン沈着症(acral persistent papular mucinosis)と一致すると考えた。
  • 幾井 宣行, 池田 大助, 森脇 真一, 清金 公裕
    2006 年 5 巻 2 号 p. 162-166
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    65歳,女性。約10年前より右下腿伸側に円形,皮膚面より隆起する暗赤色の皮疹を認めていた。徐々に増大傾向を示し径1.3cmの腫瘤となったため,精査加療を目的に当科を受診した。全摘出標本の病理組織学的検索の結果,病変部表皮は一部に過角化を伴って不規則に肥厚し,胞体が澄明で核異型を伴わない大型の腫瘍細胞で占められていた。腫瘍と周囲の健常表皮との境界は明瞭であった。PAS染色では腫瘍細胞の細胞質に陽性所見(ジアスターゼ消化性)を認めた。以上より,本症例をclear cell acanthomaと診断した。
  • 横井 祥子, 梅川 俊樹, 新関 寛徳, 波床 光男, 浅田 秀夫, 宮川 幸子
    2006 年 5 巻 2 号 p. 167-171
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    症例1,64歳女性。初診2年前より左上眼瞼部睫毛より結膜側に黄色小結節が出現,漸次拡大した。瞼板を含め腫瘍切除術を施行して,組織像に腫瘍細胞による大小の胞巣形成を認めた。腫瘍細胞は泡沫状の細胞質を有する異型細胞で,ズダンIV染色陽性であり,睫毛と連続性を認めた。
    症例2,83歳男性。初診半年前より右上眼瞼外側に紅色有茎性の小結節が出現。漸次拡大したため,近医眼科にて切除後,当科に紹介されて受診した。組織像では大小の胞巣内に症例1と同様の異型細胞の増殖を認めた。睫毛との連続性は認めなかった。
    2例とも組織像より眼瞼部脂腺癌と診断した。また,どちらもMeibom腺との連続性がないことから,症例1をZeis腺由来,症例2を眼瞼部皮脂腺由来の脂腺癌と診断した。
  • 亀山 梨奈, 大谷 隆夫, 鈴木 加余子, 松本 修一, 伊藤 誠, 松永 佳世子
    2006 年 5 巻 2 号 p. 172-177
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    69歳,男性。約半年前より生じた顔面の紅色結節を主訴に受診した。初診時右こめかみに下床との可動性が良好な10mm×10mmの紅色隆起性結節を認めた。皮膚付属器腫瘍を疑い局所麻酔下に切除した。病理組織学的には腫瘍組織は表皮と連続性を示さず,真皮内に不規則な分葉状あるいは細胞巣を形成して増殖していた。腫瘍細胞は異型性を持ち,免疫組織染色では Cytokeratin7陽性,CEA陽性,EMA弱陽性,S-100蛋白陰性,Cytokeratin20陰性であった。また腫瘍胞巣周囲には異型性のないリンパ球の浸潤が認められた。頭部CTと鼻咽頭ファイバースコープにて異常所見を認めず,lymphoepithelioma-like carcinoma of the skinと診断した。
  • 梅原 真紀子, 爲政 大幾, 大貫 雅子, 村江 美保, 堀尾 武, 大西 雅之, 中 紀文, 荒木 信人
    2006 年 5 巻 2 号 p. 178-182
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    31歳,女性。二分脊椎に伴う両足の内反尖足がある。初診の約半年前に左鼡径部の母指頭大の皮下腫瘤に気付いた。同腫瘤は急速に増大し,初診の1ヵ月前には腫瘤表面よりリンパ液の漏出と左下肢の蜂窩織炎が出現したため,大阪府立成人病センター整形外科を受診。針生検にて悪性黒色腫の転移が疑われ,当科へ紹介された。当科初診時には左鼡径部に直径8cm,高さ4cm,表面に一部びらんを伴う赤色腫瘤をみとめ,その下床に皮下硬結を触知した。左足底には強度の胼胝があり,その内部に疣贅様の小腫瘤をみとめた。疣贅様部分の生検にてamelanotic melanomaの所見がみられた。本症例は本邦に多い末端黒子型黒色腫の発症要因として慢性的な外的刺激を示唆する1例と考えた。
  • 新保 有佳里, 池田 大助, 森脇 真一, 草壁 秀成, 清金 公裕
    2006 年 5 巻 2 号 p. 183-186
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    32歳,女性。3年ほど前から右背部に皮疹があり徐々に拡大してケロイド様となってきた。同部への外傷等の既往はない。初診時,右肩部に表面赤色調で弾性硬の腫瘤が存在した。病理組織学的所見では,HE染色にて真皮上層に周囲と境界が明瞭な腫瘍塊を認めた。腫瘍塊は主として好酸性の胞体を持つ大型の紡錘形の細胞から成り,表皮と平行して増殖していた。紡錘形細胞に異型性は認められなかった。免疫組織学的に検討した結果,本症例は本邦ではきわめてまれな,Dermatomyofibromaと診断した。
  • 濱田 和俊, 秋山 正基, 末木 博彦, 飯島 正文
    2006 年 5 巻 2 号 p. 187-191
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    症例:63歳女。外傷の既往なし。現病歴:約1ヵ月前より左足背に結節が出現し次第に増大した。現症:左足背に12×9mm,淡紅褐色,弾性硬の皮内結節が認められた。被覆表皮と癒着し,下床との可動性は良好であった。dermatofibroma,cutaneous focal mucinosisを疑い初診1ヵ月後に生検した。組織:真皮の血管,神経,エクリン汗器官周囲を中心に楕円形ないし紡錘形の核を有する線維芽細胞様細胞が増殖し,同部を中心に膠原線維の増生と酸性ムコ多糖の沈着が認められた。一部では線維性被膜を伴っていた。病変が血管,神経,エクリン汗器官周囲を中心にみられ組織診断に苦慮したが,発生部位と臨床像を加味し,fibromyxomaと診断した。
  • 榎本 美生, 山本 純照, 多田 英之, 矢敷 敦, 北村 華奈, 葛城 麻実子, 浅田 秀夫, 宮川 幸子
    2006 年 5 巻 2 号 p. 192-197
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    54歳,女性。家族歴:両親がいとこ婚。現病歴:幼少時から体幹を中心に表面に軽度の膜様鱗屑を有する癜風様の紅褐色局面と脱色素斑が多数みられ,次第に増数がみられた。平成6年より左耳前部に小結節が生じ,切除の結果,有棘細胞癌と診断された。その後,顔面,体幹,四肢に結節が出現し,平成13年7月までの間に合計15回切除術を受けた。病理組織検査の結果,基底細胞癌,有棘細胞癌,ボーエン病,脂漏性角化症と診断され,疣贅状表皮発育異常症(EV)を基礎として生じたものと考えられた。平成16年6月頃より,以前の左前腕ボーエン病の手術痕の断端から赤褐色角化性局面が出現し,左頬部に常色の角化性局面と躯幹部に多数の黒色小結節を認めたため,平成16年8月再診した。切除にて各々ボーエン病,日光角化症,基底細胞癌であった。前腕および顔面の皮疹から抽出したDNA解析の結果,EVとの関連性が指摘されているHPV15型が同定された。
使用試験
  • 瀧川 雅浩, 島田 眞路, 橋爪 秀夫, 大島 昭博, 伊藤 泰介, 飯田 晴康, 太田 まゆみ, 堀部 尚弘, 山田 知加, 藤山 俊晴, ...
    2006 年 5 巻 2 号 p. 198-205
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    そう痒を有する皮膚疾患患者116例を対象として,エバスチンを1日1回5~10mgを4週間投与した。皮膚疾患特異的QOL調査票であるSkindex-16 を用い,エバスチンの有用性について皮膚症状およびQOLの観点から検討を行った。そう痒および掻破痕の程度は,投与前と比較して4週後にいずれも有意に軽症化した。痒みのVASスコアも投与前と比較して,4週後に有意に低下しそう痒の改善が認められた。QOLでは,機能スコアを除く症状スコア,感情スコアおよび総合スコアが投与前と比較して4週後に有意に低下しQOLが改善した。疾患別では,アトピー性皮膚炎および湿疹の総合スコアが,4週後に有意に低下しQOLが改善した。そう痒を有する皮膚疾患患者に対するエバスチンの投与は,皮膚症状を改善するだけでなく,さらには患者QOLをも改善することが認められた。
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