抄録
症例:63歳女。外傷の既往なし。現病歴:約1ヵ月前より左足背に結節が出現し次第に増大した。現症:左足背に12×9mm,淡紅褐色,弾性硬の皮内結節が認められた。被覆表皮と癒着し,下床との可動性は良好であった。dermatofibroma,cutaneous focal mucinosisを疑い初診1ヵ月後に生検した。組織:真皮の血管,神経,エクリン汗器官周囲を中心に楕円形ないし紡錘形の核を有する線維芽細胞様細胞が増殖し,同部を中心に膠原線維の増生と酸性ムコ多糖の沈着が認められた。一部では線維性被膜を伴っていた。病変が血管,神経,エクリン汗器官周囲を中心にみられ組織診断に苦慮したが,発生部位と臨床像を加味し,fibromyxomaと診断した。