皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
血管,神経,エクリン汗器官周囲を中心に病変が見られたfibromyxomaの1例
濱田 和俊秋山 正基末木 博彦飯島 正文
著者情報
ジャーナル 認証あり

2006 年 5 巻 2 号 p. 187-191

詳細
抄録
症例:63歳女。外傷の既往なし。現病歴:約1ヵ月前より左足背に結節が出現し次第に増大した。現症:左足背に12×9mm,淡紅褐色,弾性硬の皮内結節が認められた。被覆表皮と癒着し,下床との可動性は良好であった。dermatofibroma,cutaneous focal mucinosisを疑い初診1ヵ月後に生検した。組織:真皮の血管,神経,エクリン汗器官周囲を中心に楕円形ないし紡錘形の核を有する線維芽細胞様細胞が増殖し,同部を中心に膠原線維の増生と酸性ムコ多糖の沈着が認められた。一部では線維性被膜を伴っていた。病変が血管,神経,エクリン汗器官周囲を中心にみられ組織診断に苦慮したが,発生部位と臨床像を加味し,fibromyxomaと診断した。
著者関連情報
© 2006 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top