皮膚の科学
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症例
組織片の塗抹標本にて陽性を示したMycobacterium marinum感染症の1例
山藤 千草杉山 美紀子三浦 健太郎北見 由季末木 博彦飯島 正文山本 雄一上里 博
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2006 年 5 巻 5 号 p. 355-359

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抄録

71歳,男性。40年来熱帯魚屋を経営している。約4ヵ月前より右手背の紅斑に気づき,ステロイド外用剤で加療するも軽快せず当科を受診した。初診時,右手背に24×20mmの暗紅色の扁平に隆起した浸潤性紅斑を認めた。病理組織所見では非乾酪壊死性類上皮細胞性肉芽腫像を示した。組織のZiehl Neelsen染色では抗酸菌は陰性だったが,組織片の塗抹標本では全視野で1~4個の抗酸菌を認めた。組織片の培養(小川培地)では表面が淡いクリーム状のコロニーを認め,生化学的性状より本菌をMycobacterium(以下M.)marinumと同定した。さらに分離培養株を対象にPCRおよびダイレクトシークエンス解析を行いM. marinumと確定した。塩酸ミノサイクリン 200mg/日の内服で8週間後に瘢痕治癒した。

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© 2006 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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