皮膚の科学
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5 巻, 5 号
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カラーライブラリー
研究
症例
  • 中山 由美, 夏秋 優, 宮田 明子, 山西 清文
    2006 年 5 巻 5 号 p. 342-345
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    症例は28歳,女性。それまで使用歴のなかった化粧品を使用するようになって約1ヵ月後より顔面にそう痒を伴う紅斑が出現するようになった。パッチテストを行ったところ,某化粧品メーカーの日焼け止めと保湿乳液が陽性であった。成分パッチテストでは,これらの化粧品に含まれるリゾレシチンで紅斑を認めた。以上より自験例をリゾレシチン含有の化粧品による接触皮膚炎と診断した。
  • 西村 由佳理, 高木 圭一, 桑原 伸介, 南 英利, 上水流 雅人, 池本 慎一
    2006 年 5 巻 5 号 p. 346-349
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    64歳,男性。初診より1ヵ月前に排尿困難と下腹部から陰嚢にかけての広範囲な皮下硬結が出現した。下腹部皮下硬結部の皮下組織生検にて横紋筋周囲に線維組織の増生,異型細胞の増殖を認めた。異型細胞は腺管構造を呈さず,核が偏在した印環細胞様細胞も散見され,PAS染色陽性であった。内臓悪性腫瘍の検索をしたところ,上部消化管内視鏡にてスキルス胃癌が確認された。内視鏡,MRI,CT等の画像所見よりスキルス胃癌,腹膜播種,膀胱,直腸,陰嚢転移と診断した。化学療法を開始したが経過不良にて初診から6ヵ月後に多臓器不全にて永眠された。
  • 奥田 浩人, 野村 正晃, 清水 謙司, 山本 秀和, 小西 靖彦, 湧谷 純
    2006 年 5 巻 5 号 p. 350-354
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    73歳,女性。子宮癌のため子宮癌根治術と放射線治療を受け,その後両下肢のリンパ浮腫が生じた。33年後,右下腿に赤紫色の腫瘤が出現,急速に増大した。生検にて脈管肉腫と診断した。免疫組織化学的に腫瘍細胞はfactor VIII,CD34が陽性,keratinには陰性であった。IL-2の全身及び局所投与を施行したが,初発から8ヵ月後呼吸不全のため死に至った。
  • 山藤 千草, 杉山 美紀子, 三浦 健太郎, 北見 由季, 末木 博彦, 飯島 正文, 山本 雄一, 上里 博
    2006 年 5 巻 5 号 p. 355-359
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    71歳,男性。40年来熱帯魚屋を経営している。約4ヵ月前より右手背の紅斑に気づき,ステロイド外用剤で加療するも軽快せず当科を受診した。初診時,右手背に24×20mmの暗紅色の扁平に隆起した浸潤性紅斑を認めた。病理組織所見では非乾酪壊死性類上皮細胞性肉芽腫像を示した。組織のZiehl Neelsen染色では抗酸菌は陰性だったが,組織片の塗抹標本では全視野で1~4個の抗酸菌を認めた。組織片の培養(小川培地)では表面が淡いクリーム状のコロニーを認め,生化学的性状より本菌をMycobacterium(以下M.)marinumと同定した。さらに分離培養株を対象にPCRおよびダイレクトシークエンス解析を行いM. marinumと確定した。塩酸ミノサイクリン 200mg/日の内服で8週間後に瘢痕治癒した。
使用試験
  • 遠藤 英樹, 大磯 直毅, 川田 暁, 黒田 啓, 多島 新吾
    2006 年 5 巻 5 号 p. 360-366
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    後天性掌蹠角化症患者30例を対象として,活性型ビタミンD3外用薬であるマキサカルシトール(オキサロール®)25μg/g軟膏を1日2回8週間外用し,有効性と安全性を検討した。
    (1)皮膚症状の紅斑,角化・鱗屑,亀裂について4週後と8週後に投与前に比して有意な改善が認められた(p‹0.05)。
    (2)中等度改善以上の有効率は4週後73.1(19/26)%,8週後74.1(20/27)%であった。
    (3)局所刺激を含む有害事象は認められなかった。
    (4)患者印象の好ましい以上は4週後80.8(21/26)%,8週後85.2(23/27)%であった。
    (5)有用度の有用以上は76.7(23/30)%であった。
    以上の点より活性型ビタミンD3外用薬であるマキサカルシトール25μg/g軟膏は後天性掌蹠角化症に対して有用性の高い薬剤である事が示唆された。
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