皮膚の科学
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症例
Coma blisterの1例
中村 年伸瀧本 玲子河井 正晶阿部 澄乃高森 建二
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2007 年 6 巻 2 号 p. 103-106

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抄録
症例:53歳,女性。初診:平成12年11月1日。主訴:両下腿の緊満性水疱と潰瘍。10月24日,自殺目的で向精神薬と睡眠剤を多量に服用し,自宅で意識消失した。翌10月25日意識消失状態で娘に発見され,同日救急車で当院救急外来を受診し,昏睡状態のため入院となった。入院時に,両下腿に緊満性水疱と潰瘍がみられ,coma blisterと診断した。潰瘍治療は長期間を要した。
Coma blisterの発症メカニズムは,いまだに不明な点が多く,時に重篤な合併症の報告がある。昏睡後の水疱性皮疹をみた場合は,coma blisterを念頭におき,合併症を見落とさないように注意をして治療を行う必要があると考えた。
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© 2007 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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