皮膚の科学
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治験
Visual analogue scale(VAS)で評価したベシル酸ベポタスチンによる慢性蕁麻疹の治療効果
大日 輝記室田 浩之片山 一朗神戸 直智宮地 良樹今福 信一寺尾 浩古江 増隆
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2007 年 6 巻 5 号 p. 513-518

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抄録

ベシル酸ベポタスチンは抗アレルギー薬の中でも最高血中濃度到達時間が短く,蕁麻疹患者に対する投与での効果発現時間も短いことが知られている。ベシル酸ベポタスチンによる慢性蕁麻疹の治療効果を評価するために,慢性蕁麻疹と診断された患者46例に対して,初診時及び再診時に,医師による対面アンケートで,痒みの頻度,効果発現時間を調査した。また,visual analogue scale(VAS)で,痒み,眠気,生活への支障度を評価した。患者の70%で,服用後1時間以内に治療効果を実感できた。また,VASによる評価で,痒みが有意に軽減し,生活支障度が有意に低下した。眠気は治療開始前後で同程度であった。ベシル酸ベポタスチンは慢性蕁麻疹の治療においても,対症的即効性及び予防的症状改善効果が示された。以上より,ベシル酸ベポタスチンは慢性蕁麻疹の治療に有用であると考えた。

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© 2007 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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