抄録
74歳,女性。既往歴・家族歴はとくにない。初診の約半年前から外陰部に白色の局面が出現し,ステロイド外用で軽快しない。外陰部の陰核から両側小陰唇にかけて白色線状の角化病巣がみられ,病理組織で表皮内に基底層直上2-3層から有棘層上層までのHailey-Hailey病様の棘融解,異常角化とepidermolytic hyperkeratosisがみられた。CooperやChorzelskiらが報告した陰部に限局したacantholytic dermatosisにepidermolytic hyperkeratosisの変化を伴ったと考えた。エトレチナート内服及びステロイド外用で約1ヵ月後に皮疹は改善した。