2009 年 8 巻 2 号 p. 117-124
水道水電解水を生成して手指を洗浄する装置を開発し,除菌効果,持続性,安全性,およびin vitroにおける殺菌効果の検討を行った。洗浄による菌の減少率は医療従事者(n=46)で55%,看護学生(n=12)で41%,養護教員(n=12)で50%であった。電解水の有効性は洗浄5分後,30分後で水道水に比べ有意な菌数の減少が見られ,持続効果を認めた。標準菌株(103CFU/ml)を用いた殺菌力は,表皮ブドウ球菌,緑膿菌では接触1分,大腸菌では5分,黄色ブドウ球菌では10分後から発育の抑制を認めた。水道水電解水による洗浄は十分な除菌効果と持続性,安全性があり,環境負荷を軽減し,医療や福祉などの分野で期待できる。