抄録
48歳,女性。約20年前に子宮頸癌に対し広範囲切除術,化学療法および放射線療法を施行された。2007年11月末頃から右大陰唇に常色から淡紅色の小丘疹が出現し,次第に増大して数も増加してきた。病理組織像では真皮乳頭層から浅層にかけて1層の内皮細胞で縁取られる拡張した管腔の増生を認めた。管腔壁の細胞はリンパ管内皮細胞の特異的なマーカーであるD2-40によって染色されたことにより,後天性リンパ管拡張症と診断した。本邦では過去35年間で調べ得た限り,自験例を含め74例の報告がある。比較的希な疾患であるため報告した。