2010 年 9 巻 5 号 p. 458-461
62歳,女性。数年前から背部,腰部を中心にそう痒を伴う浸潤性紅斑が出現し,再発を繰り返すため当科を受診した。背部の皮疹の生検所見から多形紅斑と診断した。抗アレルギー薬の内服とステロイド薬の外用,内服で軽快するが,皮疹は再燃を繰り返した。経過中,この皮疹の出現に先行して殿部に単純疱疹を生じることが判明し,単純疱疹に関連した多形紅斑と診断した。バラシクロビルによるヘルペス再発抑制療法を開始したところ,多形紅斑も殿部の単純疱疹ともに再燃を認めなくなった。