皮膚の科学
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第15~16回これからの皮膚科診療を考える会より
運動誘発性蕁麻疹
―メカニズムと治療について―
森田 栄伸
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2010 年 9 巻 6 号 p. 559-562

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抄録

蕁麻疹の誘因は様々である。運動が誘因となる病型に食物依存性運動誘発アナフィラキシーとコリン性蕁麻疹がある。前者は原因食物摂取後に運動負荷で蕁麻疹が誘発される。この場合運動誘発の機序は主として食物抗原の吸収促進によることが明らかになった。一方,後者では運動に際しての発汗が誘因と考えられ,多くの症例で汗による皮内テストが陽性となる。コリン性蕁麻疹では時に乏汗症を示す症例があり,この場合は汗抗原が組織へ漏出し,肥満細胞を活性化するためと理解される。(皮膚の科学,9: 559-562, 2010)

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© 2010 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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